2004 Fiscal Year Annual Research Report
物質移流の連続性に着目した新しい流域環境評価指標の提案
Project/Area Number |
16651012
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
篠田 成郎 岐阜大学, 総合情報メディアセンター, 教授 (80187369)
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Keywords | 物質移動 / 流域環境 / 環境指標 / 主観的印象 / 住民アンケート / 環境要因 / 森林管理 / 生物生息状態 |
Research Abstract |
流域環境の状態は,そこでの物質移動の円滑さ,すなわち物質移動量の空間的連続性に依存しているとの発想から,この連続性の具体的な評価方法について検討した.その結果,物質移動状態の把握に際しては,流域における面的な物質発生源の分布状態を評価できるスケール設定と流下過程における自然浄化機能の効果を定量化できるスケール設定の両者が重要であり,こうしたスケール設定を満足させつつ,物理的な物質流下現象を表現できる方法で領域を分割することにより,領域内での物質移動状態を評価できることを明らかにした.また,こうした検討を通じて,流域環境状態の良好度を示す流域環境指標を具体的に提案し,その有効性について検証することができた. また,流域環境状態の良好度と住民による主観的印象との対応関係を検討することを目的としたアンケート調査を実施し,12,382件の有効回答の解析から,森林流域および耕地・都市流域での環境要因間の因果関係が,アンケート回答結果の時空間相互相関解析から明らかになった.このことは,主観的と思える住民の印象も,流域環境状態を評価する上での重要な要素となり得ることを示す結果と言える. さらに,森林流域における両生類の生息状態と森林環境要因との関係についても現地調査およびGISによる検討を行い,森林管理と土砂動態を基本とする物質移動状態がその生物生息における支配要因になっている可能性があることを掴んだ.これは,住民によるアンケート調査から判明してきた環境要因間の応答メカニズムとも合致するものであり,今後さらに解析を進め,住民の印象と物質移動状態との関係を定量的に明らかにする予定である.
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