2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16651015
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Research Institution | Keisen University |
Principal Investigator |
新妻 昭夫 恵泉女学園大学, 人文学部, 教授 (40308292)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鬼頭 秀一 恵泉女学園大学, 人文学部, 教授 (40169892)
箱田 直紀 恵泉女学園大学, 人文学部, 教授 (00014952)
樋口 幸男 恵泉女学園大学, 人文学部, 助教授 (30259022)
澤登 早苗 恵泉女学園大学, 人文学部, 講師 (20318877)
古谷 圭一 恵泉女学園大学, 人文学部, 教授 (80087345)
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Keywords | 都市公園 / 里山 / 緑地保全 / 園芸 / ガーデニング / 余暇活動 / 市民参加 / ボランティア活動 |
Research Abstract |
ワークショップの第一回では、多摩市と市民の共同主催「グリーンボランティア養成講座」について、行政側(緑地公園課)の担当者と市民側の代表者を招いて議論を行った。第二回は、多摩市で開催された「全国雑木林会議」、とくに法制度の分科会に参加して、全国の市民団体や研究者、行政担当者の意見を聞くことができた。第三回では、神奈川県などで市民による公園や里山の管理を調査してきた研究者と、我が国の近代公園制度のモデルとされたドイツの緑地政策史の専門家を招いた。 現地調査は、多摩市ニュータウン地域と横浜市港北区の市民参加型管理が実施されている公園等のほか、次の場所で行った。札幌(大型温室など「ウィンター・ガーデン」施設)、足尾銅山周辺(荒廃した山林の実態と行政および市民による植林活動)、大阪(市民参加による動物園の改善と各種緑化活動)、沖縄県久高島(民法上の例外処置である土地の「総有制度」と自然環境利用の関係)など。 このほかに、計画当初には予定していなかったが、英国の王立園芸協会図書室でガーデニングと緑地政策の歴史について集中的な資料収集を行った。その結果、産業革命による都市化の進行のなか、19世紀前半に貴族階級の大規模な庭園(「風景式庭園」)が市民に開放されて「公園(public park)」となると同時に、中産階級の住宅に付属する「庭」に風景式庭園の形式と理想が縮図として取り込まれ、今日につづくガーデニング文化の原型が形成されたことが明らかとなった。 この流れと平行して、「公共遊歩道(public foot-path)」の整備など都市市民の郊外での余暇活動が奨励されていたことは、郊外の里山=「出かけていく場としての庭」と家庭園芸=「都市生活に取り込まれた里山の比較という本研究のねらいとの関係で特記されるべきだろう。
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Research Products
(6 results)