2004 Fiscal Year Annual Research Report
放射線適応応答への放射線誘発バイスタンダー効果の寄与
Project/Area Number |
16651020
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
松本 英樹 福井大学, 医学部, 助教授 (40142377)
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Keywords | 放射線適応応答 / 放射線誘発バイスタンダー効果 / 放射線抵抗性 / p53 / 誘導型NO合成酵素 |
Research Abstract |
申請者は「放射線誘発バイスタンダー効果」の発現に内因性の一酸化窒素(NO)ラジカルが関与し、被曝細胞から放出されるNOラジカルを介した「放射線誘発バイスタンダー効果」により非被曝細胞が放射線抵抗性を獲得することを見出した(Int J Radiat Biol,76:1649-1657,2000;Radiat Res,155:387-396,2001;Methods Enzymol,359:280-286,2002)。本研究は、「放射線適応応答」への内因性NOラジカルの関与を明らかにし、「放射線適応応答」への「放射線誘発バイスタンダー効果」の寄与を明らかにすることを目的とした。 (1)正常型p53導入ヒト非小細胞肺癌H1299細胞におけるiNOSの蓄積誘導 (1)高線量率(1Gy/min、総線量1.5 or 3.0Gy)および低線量率(0.001Gy/min、総線量1.5Gy)放射線照射によるiNOSの蓄積誘導は認められなかった。 (2)低線量率放射線照射(0.001Gy/min、総線量1.5Gy)後直ちに高線量率放射線照射(1Gy/min、総線量1.5Gy)を行うと、ヒト神経膠芽腫細胞の場合と同様にiNOSの蓄積誘導が認められ、培養液中のnitrite濃度も上昇した。 (2)正常型p53導入ヒト非小細胞肺癌H1299細胞における放射線適応応答へのNOをメディエーターとする放射線誘発バイスタンダー効果の寄与 (1)予めの低線量率(0.001Gy/min、総線量1.5Gy)放射線照射により高線量率(1Gy/min)放射線照射に対する感受性の低下が認められ、生存率を指標とした放射線適応応答が認められた。 (2)NO特異的スカベンジャーであるcarboxy-PTIOの培地への添加により、正常型p53細胞における生存率を指標とした放射線適応応答はほぼ完全に抑制された。
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Research Products
(6 results)