2004 Fiscal Year Annual Research Report
地下水中の固有微生物を利用したヒ素除去に関する研究
Project/Area Number |
16651042
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Research Institution | Osaka Sangyo University |
Principal Investigator |
菅原 正孝 大阪産業大学, 人間環境学部, 教授 (60026119)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾崎 博明 大阪産業大学, 工学部, 教授 (40135520)
藤川 陽子 京都大学, 原子炉実験所, 助教授 (90178145)
濱崎 竜英 大阪産業大学, 人間環境学部, 講師 (50340617)
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Keywords | 地下水利用 / 鉄バクテリア法 / 接触酸化法 / ヒ素 / 鉄 / マンガン |
Research Abstract |
本研究を実施するためには、ヒ素濃度が比較的高い地下水が入手する現場において実験する必要があった。このようなことから、京都府向日市上下水道部の協力を得て、現在給水を停止している浄水用井戸を利用して実験することとした。また、研究実施についても向日市上下水道部だけでなく、株式会社地域環境システム研究所、東洋濾水機株式会社といった企業、非営利特定法人地下水利用技術センター、神戸大学大学院の協力を得て、産官学連携の研究組織によって遂行した。 京都府向日市が管理している14号井戸に実験装置を設置した。微生物が繁殖しやすい環境をつくるために、多孔質でプロピレン製のろ材を用いた。地下水揚水ポンプの能力が実験装置に必要な水量より大幅に大きいため、一時的にタンクに汲み上げてから実験装置に導入した。流量は150m/日、逆洗は2〜3日に1回、地下水補給は3〜4日に1回の割合で行った。試験水・ろ過塔上下・処理水の4箇所から採水した。 除去の傾向として、鉄濃度が高い場合にはヒ素が若干除去されることを確認した。今回の実験で鉄濃度が一定でないのは、地下水をタンクに一時貯留して、しばらくしてから実験装置に導入したため、タンク内で鉄酸化が発生し、鉄分が沈降しため、導入する水の鉄濃度は低くなったと考えられる。鉄はろ過塔上部、アンモニア性窒素はろ過塔上中部、マンガンはろ過塔全体で除去されている。マンガンはろ過塔全体、アンモニア性窒素はろ過塔上部から中部、鉄はろ過塔上部で除去されている。このような結果から、各物質を酸化・硝化には複数の細菌が関わっており、過塔内で住み分けが行われていると考えられる。ヒ素除去については、鉄濃度が大きく影響し、鉄濃度が高いほどヒ素除去率は高くなる傾向を確認した。
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