2004 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ波を用いる高分子化合物の高効率化学分解反応および分解装置の開発
Project/Area Number |
16651043
|
Research Institution | Sojo University |
Principal Investigator |
池永 和敏 崇城大学, 工学部, 助教授 (70176113)
|
Keywords | マイクロ波 / ポリエチレンテレフタレート / ケミカルリサイクル / 塩基性分解 |
Research Abstract |
当該研究はマイクロ波を用いた高分子化合物の分解反応の開発およびその分解装置の開発である。以下にそれぞれの進捗状況と得られた知見について述べる。 1.マイクロ波を用いる高分子化合物の高効率化学分解反応 平成16年度は初年度であるので、マイクロ波が高分子分解反応に有効であることを確認することに重点を置いて、研究を実施した。高分子化合物としてPETを用いた。また、初期の検討は電子レンジを用いて検討した。 (1)PETの塩基性化学分解反応の検討 PETの一般的な化学分解では水酸化ナトリウムなどの塩基を用いて分解するので、マイクロ波を用いた水酸化ナトリウムによる分解反応を検討したところ、通常の加熱による実験よりも1/10の反応時間で反完結することが分かった。結果を以下に示す。 マイクロ波:PET(52mmol),NaOH(250mmol),H_2O(40-140g),反応時間(7-25min),収率(62-72%) 加熱還流:PET(52-130mmol),NaOH(250-625mmol),H_2O(30-75g),反応時間(30-240min),収率(18-75%) (2)酸化チタン触媒によるPETの化学分解反応の検討 PETの化学分解にはアルコールを用いるエステル交換型の化学分解も知られている。特に触媒の選択が重要であり、一般にはチタン系触媒が使用されている。そこで、電子レンジで最も使用が容易である酸化チタン(微粉末)を用いたところ、通常の加熱還流条件下では、全く進行しないエステル交換型分解反応が高い収率で進行することが分かった。アルコールとしてエチレングリコールを用いた。結果を以下に示す。また、この反応でグリーンモチーフの試運転実験を行っている。 マイクロ波:PET(5.0mmol),エチレングリコール(160mmol),TiO_2(12mol%),反応時間(30min),収率(75-84%) 加熱還流:PET(5.0mmol),エチレングリコール(160mmol),TiO_2(12mol%),反応時間(120min),収率(0%) なお、分解装置の開発については平成17年度以降、実施する予定である
|