2005 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ波を用いる高分子化合物の高効率化学分解反応および分解装置の開発
Project/Area Number |
16651043
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Research Institution | Sojo University |
Principal Investigator |
池永 和敏 崇城大学, 工学部, 助教授 (70176113)
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Keywords | マイクロ波 / ポリエチレンテレフタレート / ケミカルリサイクル / 化学分解 / 塩基性触媒 / 酸化チタン / グリコリシス / エステル交換反応 |
Research Abstract |
当該研究はマイクロ波を用いた高分子化合物の分解反応およびその分解装置の開発である。以下に平成17年度の実施状況と得られた知見にっいて述べる。 1.マイクロ波を用いる高分子化合物の高効率化学分解反応 平成16年度の知見で得た酸化チタンを用いるPETの分解反応についてさらに詳細な検討を行った。また、他の高分子化合物としてFRPの化学分解の検討も実施した。 (1)酸化チタン触媒を用いるPETの化学分解反応の検討(電子レンジを使用) ・酸化チタンのリサイクル性について 当該分解反応において実用化レベルでは酸化チタン触媒の再使用はコストの面から重要課題である。反応後にろ別して得られた酸化チタンを再使用したところ、1回使用の場合と同等の活性があることが確認できた[反応時間(30min),収率(95%以上)]。現在、3回使用可能であることが確認できている。 また、反応後、触媒を含む反応混合物を半分に分けて再使用、もしくは反応後さらに同僚のPETとエチレングリコールを追加しても1回使用の揚合と同等の活性が得られた。なお、半分にして用いた場合は、触媒が半分量になっているにもかかわらず、同じ量のPETを20-25分で完全に分解する加速効果を観測した。この知見の解明を次年度行う予定である。 (2)FRPの塩基性化学分解反応の検討(電子レンジを使用) 塩基性触媒条件で多価アルコールを溶媒に用いて検討したところ、PEGの場合に分解率が100%に近い結果を得ることができた。また、PEGの蒸発分が少ないので操作性は最も良かった。 2.分解装置の設計・試作 市販の電子レンジを用いて冷却器が装着可能で連続的にマイクロ波を照射できる装置を設計・製造した。試運転の結果、冷却器を装着したことにより分解性生物であるエチレングリコールの完全回収が可能となった。なお、マイクロ波の連続照射であるが、通常照射に比べて反応活性に向上が見られなかった。次年度の検討課題とする。また、マイクロ波の遮蔽に不良があったので継続して検討する。
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Research Products
(2 results)