2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16651047
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
山本 直紀 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (90108184)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
箕田 弘喜 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 助教授 (20240757)
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Keywords | 金属フォトニック結晶 / 表面プラズモン / 透過型電子顕微鏡 / ナノホール / 光の異常透過 |
Research Abstract |
16年度は、既設の光検出器を装備した透過型電子顕微鏡を主要装置として用い、試料に対し電子線の出射側に置く楕円ミラーの設計と製作を行った。試料ホルダーと試料汚染防止用冷却フィンの間の間隔は4mm程度しかないので、その間に挿入できるサイズでさらに集光効率を上げるために出来る限り大きな立体角がとれるようにミラーを設計した。このように小さくて精密なミラーの製作にはNC旋盤による加工が必要であり、トプコン(株)に製作を依頼した。ミラーの設置ができたところで、以下の研究を行った。 (1)ナノホールが配列した金属フォトニック結晶 (2)誘電体フォトニック結晶における光吸収 (1)では、Ebbesen氏から試料を提供してもらい、ナノホールのエッジに局在した表面プラズモンモードの存在を証明した[1]。試料は、膜厚270nm、ホール径240nm、間隔600nmのナノホール配列をもつもので、波長700nmの光に対して異常透過が起こる。p偏光とs偏光方向でいろいろな波長の光でフォトンマップを測定した。ナノホールエッジに局在したコントラストは局在表面プラズモン(LSP)によるもので、それとは別に波長700nmのマップに対角線方向に走る線状のコントラストが見られ、これは表面を伝播する表面プラズモンポラリトン(SPP)が定在波を形成していると考えられる。このモードがホールに局在したLSPモードと結合して異常透過の現象が起こると解釈できる。(2)ではスペインのMeseguer氏から逆オパール構造をしたシリカの試料を提供してもらい、実験を行った。可視光領域の発光スペクトルにフォトニックバンドギャップに対応する波長でdipが現れた。ただし、フォトンマップは下地結晶が帯電するため分解能の高い像にならなかった。これを改善するため、最近下地から剥離したフォトニック結晶を作製し、現在測定を行っている。
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Research Products
(2 results)