2004 Fiscal Year Annual Research Report
RGB三色発光する高度演色性ナノゼオライト結晶の設計と創製
Project/Area Number |
16651048
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
和田 雄二 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40182985)
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Keywords | ゼオライト / 近赤外発光 / 増感発光 / ナノハイブリッド |
Research Abstract |
希土類カチオンのf-f遷移が禁制であることは、直接励起によるフォトルミネッセンスの強度は原理的に増大させることはできないことを意味する。光増感剤の導入による増感発光が重要である。上述強発光性Nd(III)を有するナノゼオライト細孔に有機増感剤として8-キノリノールを導入し、初めて、増感に成功した。 Ru[bpy_3]^<2+>は、系間交差率がほぼ100%で、^3MLCT発光を示す。この準位はNd(III)の吸収準位と良く一致することから、Nd(III)の良好な増感剤候補である。また、この錯体はゼオライトのスーパーケイジにちょうど収まる大きさであり、ゼオライト細孔内にship in bottle合成が可能である。Ru[pby_3]^<2+>を増感剤として用い、光吸収とNd(III)発光が異なるケイジで起こるシステムを構築し、その発光特性について検討した。Gd(III)は、[Ru(bpy)_3]^<2+>の^3MLCT準位より高いエネルギー準位を持つため、Gd(III)にエネルギー移動されない。Gd(III)の導入されたサンプルに比べてNd(III)の導入されたサンプルの^3MLCT発光強度は減少した。また、^3MLCTの発光寿命が減少したことから、[Ru(bpy)_3]^<2+>の^3MLCTからNd(III)へエネルギー移動が確認された。寿命測定からエネルギー移動効率は、φ_<ET>=0.63と、高い値を示すことがわかった。 Nd(III)の発光波長を検知した励起スペクトルにおいて^1MLCT遷移が観測された。これより、エネルギー移動を経たNd(III)発光が得られることが分かった。しかし、Nd(III)の発光強度は、[Ru(bpy)_3]^<2+>励起時に比べてNd(III)直接励起時のほうが大きくなった。発光寿命も同様に、[Ru(bpy)_3]^<2+>励起時の方が短寿命になった。このことから、エネルギーを受け取ることの出来るNd(III)の発光効率が低い事が分かった。[Ru(bpy)_3]^<2+>が失活原因となっている可能性が考えられる。 ぜオライト細孔内における錯体増感系の初めての例である。
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Research Products
(3 results)