2004 Fiscal Year Annual Research Report
DNAのハイブリダイゼーションを活用した色素ナノ超分子の合成
Project/Area Number |
16651058
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
浅沼 浩之 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助教授 (20282577)
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Keywords | DNA / 色素 / H会合体 / コンジュゲート / ナノクラスター |
Research Abstract |
DNAは任意の塩基配列を特定方向に配向させることに長けた機能性超分子であり、天然のDNA骨格を活用すれば、通常は調製の極めて困難な分子会合体も容易に設計・調製できる。一方色素分子は単量体として機能を発揮することは少なく複数の分子が配向することで高度な機能を発揮するが、これまでは色素分子の会合数と配向を意図通りに制御することは極めて困難であった。そこでDNAに色素を結合し、DNAの自発的な二重鎖形成力を活用して、これらの色素を設計どおりに会合させることに成功した。その具体的な分子設計は以下の通りである。まず一方のDNA鎖の中央には色素とスペーサーを交互に配列させ、その両端に天然のDNAをタグとして導入する。もう一方のDNA鎖も同様に色素とスペーサーを中央に交互に配列させ、両端に天然のDNAを導入する。こうすれば、色素自体に会合力が無くても、両端に導入したDNAの二重鎖形成力によって色素を"強制的"に会合させることができる。色素の会合数や配向状態は、色素を導入するリンカーの分子設計やDNA合成機のプログラミングで自在に制御することができる。実際この手法を用いることで通常は調製の極めて困難なヘテロ型色素会合体でも、容易に調製することができた。例えば、片側の鎖にメチルレッドを導入し、下側にナフチルレッドを導入するだけで、二つの異なる色素が交互に配列したヘテロ型色素会合体が調製できた。また得られたヘテロ型会合体は、非常に特異な光学物性を示すことも明らかとなった。
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