2004 Fiscal Year Annual Research Report
バクテリオロドプシンとカーボンナノチューブの複合型マイクロナノ光センサーの構築
Project/Area Number |
16651061
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
宗行 英朗 東京工業大学, 資源化学研究所, 助手 (80219865)
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Keywords | バクテリオロドプシン / カーボンナノチューブ / 電界効果トランジスター |
Research Abstract |
本研究は三洋電機株式会社の杉山幸宏氏の全面的協力の下に行われている. 本年度は,まずバクテリオロドプシンを無機材料からなる基板に結合するために,いったん無機材料の表面を変性蛋白からなる薄膜で覆い,その表面をビオチン化し,同じくビオチン化したバクテリオロドプシンとストレプトアビジンを介して結合することを試みた.蛍光性のビオチン化試薬を用いることによりビオチン化の有無を調べ,良好な結果を得た.CNT-FETは名古屋大学工学部の水谷研究室の大野博士らの協力を得て作られたものを用いてその表面にバクテリオロドプシンを固定化し,光照射による応答を調べた.しかし今のところ光を当てることにより特性の変化は見られていない.光応答の見られなかったCNT-FETを全て電子顕微鏡で観察したところ,結合したバクテリオロドプシンの密度が低すぎてCNTをまったく覆っていないことが判った.現在,バクテリオロドプシンの結合密度を上げるとともに,CNT-FETの特性をより精密に評価できる実験系を構築している. 一方で,水面上に展開して表面変性したバクテリオロドプシンがCNTに付着する際に規則的な層状構造を作ることが電子顕微鏡による観察で明らかになった.この電子顕微鏡増をフーリエ変換することによってその周期を計算したところ,β構造に特徴的な周期とほぼ一致した.このことはほとんどαヘリックスだけからなるバクテリオロドプシンが変性とCNTの表面への吸着によってβ構造にとむ形に遷移した可能性を示唆している.このことは本研究の目的,すなわちバクテリオロドプシンとCNT-FETを組み合わせてマイクロナノセンサーを作成する,と言うことには直接の関係はないが,最近注目されている蛋白質のアミロイド形成の問題との関連から興味深いものであると考えている.
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[Journal Article] Chemo-mechanical coupling in F_1-ATPase revealed by simultaneous observation of nucleotide kinetics and rotation.2004
Author(s)
Nishizaka, T., Oiwa, K., Noji, H., Kimura, S., Muneyuki, E., Yoshida, M., Kinosita, K.Jr.
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Journal Title
Nature Structural & Molecular Biology 11
Pages: 142-148
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