2004 Fiscal Year Annual Research Report
ナノスターデンドリマー・共役系ポリマーを用いた高効率レーザ素子の構築
Project/Area Number |
16651063
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
武田 淳 国立大学法人横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (60202165)
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Keywords | ナノスターデンドリマー / ポリマー / レーザー / 誘導放出 / フェムト秒 / イメージング / ポンプ・プローブ分光 |
Research Abstract |
光合成を模した高効率光エネルギー伝達システムの構築は、科学技術における最優先課題の1つである。我々は、光捕獲ナノスターデンドリマー・共役系ポリマーを用いた高効率エネルギー伝達システムの構築、そのエネルギー伝達機構の解明をめざした研究を行っている。また、高効率エネルギー移動を用いたレーザ素子の構築を目指している。 今年度は、多数の光パルス照射により劣化してしまう人工生体系試料のエネルギー伝達機構の解明に有用な「実時間ポンプ・プローブイメージング分光法の開発」を行った。また、共役系ポリマーと各種色素を組み合わせた試料を作成し、誘導放出発光強度の励起強度依存性および色素・ポリマー濃度依存性の測定を行った。 実時間ポンプ・プローブイメージング分光法の開発においては、時間分解能200フェムト秒で時間範囲〜5ピコ秒、波長範囲420〜650ナノメートルの同時マッピングができる分光手法が確立できた。また、この手法を用いて、生体系試料の1つであるベータカロテンの過渡吸収の時間・周波数特性の2次元マッピングを行った。一方、ポリマー・色素複合系高効率レーザ素子の構築においては、共役系ポリマー(ポリエレクトロライト)から色素への高効率エネルギー移動を利用したレーザ発振を目指したが、現在のところうまくいっていない。これは、エネルギー移動に伴う誘導吸収が光学利得と同じ波長域で競合してしまい、大きな光学利得が得られないためと推定される。
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