2005 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ球リソグラフィーとシャドーコーン法によるナノロッド配列の作製と光学特性評価
Project/Area Number |
16651073
|
Research Institution | Institute for Molecular Science |
Principal Investigator |
田中 啓文 分子科学研究所, 分子スケールナノサイエンスセンター, 助手 (90373191)
|
Keywords | ナノ構造制御 / シャドーコーン法 / ナノロッド配列 |
Research Abstract |
Si基板上にZnOのナノロッド群を作製すると非常に鋭いレーザー発振スペクトルを示すという報告がなされている。しかし、ナノロッドを簡便に等間隔に配列する方法は確立されているとはいえない。ナノロッドを等間隔に配列すると、より鋭いレーザー発振スペクトルが得られたり、新規の光学特性が現れたりする可能性が期待できる。そこで、本研究ではナノ球リソグラフィーとシャドーコーン法によるナノロッド配列の作製とその光学特性評価を行なってきた。昨年までは表面拡散がほとんどないPtを用いてナノロッドを作製してきたが、本年はZnOを用いて作製を試みた。ZnOをシャドーコーン法で蒸着した場合、Ptに比べて表面拡散が大きく隣り合うロッド同士が完全に融合してしまい、もともとナノ球が存在したところのみ空洞が出来て、まわりがZnOになるというポーラス状になってしまった。この結果は偶然得られたものであるが、微粒子や分子をキャプチャーするような目的に利用できると考えられる。さて、本題のロッド配列を得るには蒸着の直線性を得る必要があるために、蒸着パスを250mmから400mmに伸ばすように蒸着装置の改造を行い、同様にシャドーコーン法を使用した。すると、ZnOはロッドとして成長し、先端部分でロッド同士が接着する部分が多少見られたが、ほぼロッドが独立して存在するような目的の構造を得た。この構造は以前に報告されているZnOロッド群と同等の密度でロッドが存在し、かつ等間隔に配列しているものである。次に光学特性を調べるために、紫外-可視光スペクトルを測定した。ロッドの高さを50nmから1μmまで変化させてスペクトルを測定したところ、400nm付近の吸収スペクトルが徐々に減少していった。このことがレーザー発振スペクトルに影響を与えるものと考えられるが、今後更なる検証が必要と考えられる。以上により本研究は初期の計画通り目的は達成された。
|
Research Products
(2 results)