2004 Fiscal Year Annual Research Report
生体分子モーターを駆動源とするバイオマイクロマシンの創製
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16651079
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
丸尾 昭二 国立大学法人横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (00314047)
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Keywords | マイクロ光造形法 / バイオマイクロマシン / 光トラッピング / 生体分子モーター |
Research Abstract |
体内を自在に移動して治療を行う医療マイクロマシンは、マイクロマシン技術の中で最も切望されている課題の1つである。本研究では、ATPにより駆動する生体分子モーターを融合させたバイオマイクロ・ナノマシンの開発をめざす。生体分子モーターの発生トルクは、数ピコニュートン(pN)と極めて微小であるため、本研究では、独自に開発した「3次元マイクロ・ナノ光造形法」によって、液体中で自由に駆動するポリマー製マイクロマシンを作製し、生体分子モーターと融合した新原理バイオマイクロマシンの実現をめざす。以下に、本年度の具体的な成果をまとめる。 (1)生体分子モーターの融合に向けた各種マイクロ可動機構の試作 2光子マイクロ光造形法によって、マイクロスライダー、マイクロホイール、マイクロアームなど各種マイクロ構造を設計・試作した。 (2)マイクロマシンの光駆動実験 試作したマイクロマシンが、生体分子モーターの発生トルクと同等のピコニュートンオーダーの力で液中駆動できることを確かめるために、光トラッピング技術を応用してマイクロマシンの遠隔駆動実験を行った。さらに、液体中で駆動するマイクロマシンに働く流体抵抗から駆動トルクを計算し、実験結果と比較することにより、ピコニュートンオーダーの力で駆動可能であることを確認した。 (3)生体分子モーター観察システムの試作 倒立型顕微鏡システムを基礎として、光トラッピング用レーザー光の導入部および高精細観察システムを組み込んだ実験装置を試作した。今後、本システムを用いて生体分子モーターの駆動観察を行っていく予定である。
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