2004 Fiscal Year Annual Research Report
自己診断に基づくリアルタイム信号補正機能を有する高精度地震観測装置の開発
Project/Area Number |
16651091
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
盛川 仁 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (60273463)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉野 暢彦 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (60242286)
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Keywords | 地震観測装置 / データロガー / 計器補正 / 自己診断 / 固有周期 / 減衰定数 / フィルタリング |
Research Abstract |
本年度には,ディジタル信号処理のためのアルゴリズムの開発に着手した。このアルゴリズムは2段階からなり,一つは最初にセンサーの設置状態を自動的に自己診断する部分で,もう一つは,その診断結果を元にセンサーの出力に対してリアルタイムで計器特性を補正する部分である。本年度の研究ではこれらについての定式化と簡単なプログラムの開発を行った。また,可能な限りセンサーの機械的な精度を高めるためにセンサーとしては最も単純な動コイル型速度計を対象としたアルゴリズムとしている。 センサーの設置状態の自己診断では,振り子の固有周期と減衰定数を検出する必要がある。これらの定数を計算するためには,センサーのステップレスポンスを取得する必要があるが,これを地震計にどのような形で実装するかは,来年度以降の課題とし,今年度は,ステップレスポンスの波形が得られた,という仮定の元でその記録をを用いて固有周期と減衰定数を検出するアルゴリズムの開発を行った。このアルゴリズムは,ステップレスポンスの初動部分を認識するアルゴリズム,適当な長さのステップレスポンスの信号に対して逆解析手法によって,振り子の固有周期と減衰定数を同定するアルゴリズムから成り立っている。本年度の解析では,ノイズなどの影響が少ない,理想的な環境で得られたステップレスポンスの信号を用いて,パラメータを推定できることを確認した。来年度は,ノイズを含むステップレスポンスの信号に対しても対応可能なアルゴリズムを開発する。 さらに,得られたパラメータを用いてセンサーの出力に対して計器補正を加えることでリアルタイムに地盤震動に変換するアルゴリズムの開発に着手した。これは,z変換を用いたフィルタリング手法として定式化され,来年度にプログラムとして完成させる。
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Research Products
(4 results)