2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16651098
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
柳原 克彦 京都大学, 医学研究科, 研究員(科学技術振興)(常勤形態) (20362543)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 玲子 京都大学, 医学研究科, 研究員(科学技術振興)(常勤形態) (50372595)
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Keywords | トランスポゾン / DNA組換え / RNA / 突然変異 / SNP / トランスポゼース |
Research Abstract |
我々はこれまでに、MuファージがDNAの塩基ミスマッチをホットスポットとして転移を起こすことを発見し、その応用としてDNA変異検出法を開発している。今回、Muが通常転移標的として利用できないDNA:RNAヘテロ二重鎖に対して、塩基ミスマッチ依存的に効率よく転移することを発見した。これまでにRNAに転移することが報告されているトランスポゾンは存在しない。反応条件を至適化することで、ミスマッチのないDNA:RNAヘテロ二重鎖や一塩基余ったバルジに対する転移は検出限界以下にすることができた。この条件下では、大過剰のミスマッチのないDNA:RNAヘテロ二重鎖存在下においても、ミスマッチに依存的な転移はあまり阻害されなかった。このことは、Mu転移を利用して非常に感度の高い変異検出法が開発できることを示唆する。Muは塩基ミスマッチのすべての種類を認識できるが、ミスマッチ周囲の配列によっては認識できない場合があった。RNAへの転移部位はミスマッチから約2塩基5‘側で起きていた。この発見を基に、RNAレベルで塩基置換を検出する方法を開発した。これは野生型及び変異型mRNAを逆転写と変性/リアニールによつてミスマッチを持つDNA:RNAヘテロ二重鎖に変換し、Muの特異的な転移標的として検出するものである。また、Mu DNAの塩基配列をPCRプライマーとして用いることにより、変異部位を単離し塩基配列を決定できることを示した。以上のように、この方法の利点は、非常に高い特異性と未知の変異部位の同定/単離が可能なことである。現在この方法特許を出願している。
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