2004 Fiscal Year Annual Research Report
硫酸化糖を分子基盤とする抗BSE試薬の開発と異常プリオン抑制機構の解析
Project/Area Number |
16651107
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
西田 芳弘 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (80183896)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 佳子 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (00335069)
小林 一清 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (10023483)
小川 智久 東北大学, 生命科学研究科, 助教授 (80240901)
堀内 基広 北海道大学, 獣医学研究科, 教授 (30219216)
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Keywords | 糖鎖ライブラリー / BSE / 糖蛍光試薬 / 硫酸化糖 / フラーレン / 糖鎖 / プリオン / 異常プリオン |
Research Abstract |
BSEやクロイツフェルト-ヤコブ病に関わる異常プリオン(PrP^<SC>)抑制剤の開発が急務の課題となっている。PrP^<SC>産生を抑える作用点は数カ所提案されているが、正常プリオンが異常プリオンに転移する際に関与するプロテイン-Xの構造と作用機序が明らかにされていない事から、大きな進展が見られていない。代表者らは、プリオンが高度にシアリル化された糖タンパク質であること、並びに、そのライフサイクルが数10分と極めて短いことに着目して、糖鎖を分子ベースとした抗BSE素材の分子設計を行ってきた。 平成16年度の研究では、 1)各種の硫酸化グリコサミン誘導体を位置選択的に精密合成するための、酵素化学的手法を開発することができた。本法は、化学的な硫酸化法に加えて、スルファターゼによる位置選択的な脱硫酸化反応を組み合わせた新しい手法である。これにより、約30種の硫酸化糖並びに関連する糖鎖ライブラリーを作成した。 2)糖とタンパク質との相互作用を増幅させる目的で、糖鎖ライブラリーの一部をアクリルアミドとの共重合により高分子化した。これらは、人工糖タンパク質モデルとしてプリオンタンパク質との解析に利用した。 3)1,3ベンゾジオキソール骨格を蛍光発色団として持つ、新規蛍光プローブ、糖結合蛍光プローブをそれぞれ開発した。 4)糖結合フラーレンを合成し、その評価を行った。これら独自の糖鎖ライブラリー並びに糖分析試薬を用いた細胞試験を行い、特定の分子構造を持つ硫酸化糖が正常プリオンから異常プリオンへの転移を顕著に抑制することを見出すことができた。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] "Chemoenzymatic Synthesis of Glycoconjugate Polymers Starting from Non-reduing Disaccharides"422004
Author(s)
Miura, Y., Wada, N., Nishida, Y., Mori, H., Kobayashi, K.
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Journal Title
J.Polymer Sci., Part A. 42
Pages: 4598-4606
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