2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16651111
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小林 資正 大阪大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (40116033)
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Keywords | 海洋微生物 / 固体培養 / 分化誘導物質 / 細胞毒性物質 / 神経保護物質 |
Research Abstract |
海洋微生物を対象にして、培養方法を工夫することで、微生物の二次代謝成分からの新しい活性物質の探索法を開拓する目的で検討している。放射菌等の微生物を穀類を用いる固体培養で培養すると、同菌の液体培養では全く生産されなかった化合物が生産されることを見出した。そこで、海底土壌から分離した海洋微生物を対象に種々の穀類を用いる固体培養で培養することにより、新たな二次代謝成分を産生させて、得られる抽出エキスから活性試験を指標に新規活性成分を探索する手法を確立する。これまでに分離している海洋微生物(放射菌ならびに真菌)と、新たに海底土壌(-20mから-100m)を採取し、塩分を含む寒天培地を用いて分離した海洋微生物を研究材料とした。各微生物を穀類と人工海水から調整した固体培地を用いて培養を行った後に、培養物の抽出エキスを作成した。得られた海洋微生物の抽出エキスについて、1)Nwuro2A神経芽細胞種に対する神経分化誘導物質の探索、2)KB3-1腫瘍細胞に対する細胞毒性物質の探索、3)HT22神経細胞を用いたグルタミン酸毒性に対する保護作用物質等の探索、等の活性試験を用いてスクリーニングした。現在までにStreptomyces属放射線菌KS3株の代謝産物から、神経芽細胞腫(Neuro2A)に神経突起を進展させる化合物としてkomodoquinone Aと命名した新規アントラキノン型配糖体を見出し、その全化学構造を明らかにした。
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