2004 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内ペプチドグリカン受容体NOD1,NOD2の新規リガンド創生と機能の制御
Project/Area Number |
16651112
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
深瀬 浩一 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80192722)
|
Keywords | ペプチドグリカン / 免疫増強作用 / 自然免疫 / NOD / NOD2 / ムラミルジペプチド / 複合糖質 / 細菌 |
Research Abstract |
NOD1については以下の研究を行った。われわれはNOD1のリガンドがγ-D-グルタミンジアミノピメリン酸(iE-DAP)であることを見出していた。グルタミン酸残基のアミノ基をアシル化することにより細胞内への取り込みが増加することにより、活性が増強されるのではないかと考え、アミノ基をアシル化した種々の類縁体を合成した。これらの類縁体の合成のために、固相法を利用した効率的な合成経路を確立し、約20種類からなる類縁体のライブラリーを合成した。それらの中から、iE-DAPの数倍の活性を示す強力なアゴニスト見出した。現在このアゴニストを用いて種々の生物活性研究を進めている。天然のiE-DAPのジアミノピメリン酸はメゾ体であり、その立体はiE-DAP(S, R)である。天然型その他の立体を有するiE-DAP(S, S), iE-DAP(R, S), iE-DAP(R, R)を合成し、その活性を測定した結果、天然型が最も強い活性を示し、iE-DAP(S, S)が僅かながら活性を示したのに対して、その他の2つは全く活性を示さなかった。 NOD2については、そのリガンドであるムラミルジペプチド(MDP)とその類縁体の効率合成を実現するために、本年度はその構成原料であるムラミン酸残基の効率合成について検討した。従来のMDP類縁体においては、ムラミン酸残基はすべてN-アセチル体であったが、本研究においてアミノ基に様々なアシル基を導入することで多様性のあるMDP類縁体の構築を目指した。固相合成法を適用するために、アミノ基をFmoc基で保護したムラミン酸誘導体の合成法を確立した。
|