2005 Fiscal Year Annual Research Report
インド・フェミニズム運動とダリット女性解放運動の連携と分断を巡る社会学的研究
Project/Area Number |
16651121
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Research Institution | Josai International University |
Principal Investigator |
川野 有佳 城西国際大学, 人文学部国際交流学科, 講師 (30337836)
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Keywords | ジェンダー / インド / 社会運動論 / 社会学 / 女性学 |
Research Abstract |
今年度の研究成果として、以下の点が挙げられる。 (1)研究テーマに基づく先行研究、特にインド・フェミニズム運動と、ダリット女性による論文を多数入手でき、それらを読むことにより、さらに主流派フェミニズムとダリットフェミニズム両者についての体系的な理解を深めることができた。 (2)インド女性学会(IAWS、ゴアにて)に出席し、また今年度二度の現地調査を行うことにより、研究の方向性がさらに明確となり、研究テーマをさらに深く追求することができた。また現地調査を行うことにより、マハーラーシュトラ州・タミルナドゥ州の二州にて調査を絞ることができた。今後は特にマハーラーシュトラを中心に調査を進めるが、運動家など個人を対象としたインタビューについては二州に限定せずにこれまでどおり続ける。またこれによって扱うべき事例の選定ができた。今後はそれらについて細かくデータ収集し、詳しい分析を進める。 (3)IAWS発行のニューズレターやEconomic and Political Weekly、その他ダリットにより発刊されている複数のジャーナルを読み、そのなかでカーストがどのように取り上げられ、問題視されているか、またどのように議論され結論付けられているか、その違いの分析を進めた。 (4)IAWSに出席することにより、その位置づけやその内部構造が理解でき、またジェンダーとカーストの相関関係を考察するのに大変役立った。そこでの人脈が後の調査に大変役立った。 (5)女性学関係の過去の学会やワークショップ等のプログラムや報告原稿などを入手し、カーストが女性学や女性運動の中で取り上げられる過程を時系列に捉えることができた。 (6)運動家やフェミニスト(カースト・ヒンドゥー)、ダリット・フェミニストと会い、聞き取り調査を実施した。今後も聞き取り調査を継続し、収集したデータの分析を進めていく。 これらの成果を踏まえて、今後も引き続き現地調査を実施し、聞き取り調査を継続させる予定である。また資料などデータを収集しながら、それらの分析も併せて行っていく予定である。
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