2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16652022
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Research Institution | Shirayuri College |
Principal Investigator |
澤田 直之 白百合女子大学, 文学部, 教授 (90275660)
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Keywords | フランス語圏文学 / マグレブ / 地中海 / アブデルケビール・ハティビ / カリブ海 |
Research Abstract |
本年度は、マグレブの作家およびマグレブ系作家、そしてカリブ海の作品をとりあげて、彼らの作品のうちに見られる語りと母性の問題に検討を加えた。研究の対象としたのは主に、モロッコのアブデルケビール・ハティビ、マグレブ系2世作家ヤミナ・ベンギギ、カリブの作家マリーズ・コンデなどである。彼らの小説作品を中心に分析作業をするとともに、関連の文献を渉猟した。また、昨年に引き続きフランス語圏文学関連の理論的資料を収集した。3月には、パリで行われた「フランス語圏文学」を特集したブックフェアーを訪れ、作家や研究者たちにコンタクトをとった。地中海とカリブ海をつなぐ問題系において、フランス語圏の作家の場合、とくに植民地問題が重要な要素となっていることが明らかになった。 これらの調査・研究の成果の一部は、以下の形で口頭発表された。 「アブデルケビール・ハティビとマグレブの多言語状況」『ポストコロニアル文学研究会』第1回研究会、2005年6月29日(於白百合女子大学) 「父の記憶を辿り直す-フランスのマグレブ系2世の作家たち」ワークショップ「越境と多様化」2005年11月19日(於武蔵大学) 「記憶と持続-マグレブ文学に見られる西洋近代的時間感覚」シンポジウム「クレオールの時間」2005年12月3日(於東京大学)
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