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2006 Fiscal Year Annual Research Report

アフリカにおける手話の認知言語学的研究

Research Project

Project/Area Number 16652027
Research InstitutionAkita University

Principal Investigator

宮本 律子  秋田大学, 教育文化学部, 教授 (30200215)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) フィリップス ジョン  弘前大学, 人文学部, 教授 (70292133)
亀井 伸孝  関西学院大学, 社会学研究科, COE特任助教授 (50388724)
Keywords手話 / ろう者 / 非音声自然言語 / 認知言語学 / 多言語使用 / 話者少数言語 / 言語選択 / 言語政策
Research Abstract

世界中に121種類の手話が存在し(Ethnologue2006),このうちアフリカで話されている手話は命名されているものが25種である。しかし,この数字は実態を十分に把握しているとは考えにくい。それは,国の数や人口の点からみてほぼ同じ規模のヨーロッパ地域で36種類が報告されていることから,アフリカにおける手話の調査が十分に行われていないことが原因であると考えられるからである。亀井は,まだ名前が確定していない手話10例を報告した。アフリカの手話の歴史と現状に関して今後調査が進めば,ヨーロッパ以上に多くの種類の手話が報告される可能性が高い。本研究では,宮本はケニア手話の語彙と基礎的統語構造の調査,亀井はフランス語圏西アフリカの手話言語の動態史の分析,そしてPhilipsはメディアにおけるナイジェリア手話の使用実態調査をそれぞれ実施した。その結果,アメリカ手話の影響がかなり広い範囲で確認された。聞こえる子供たちが家庭の中で親の言語を聞いて覚えるのとは異なり,ろう児の多くは,ろう学校や地域のろう者の集まりの中で手話を覚える。ろう児たちにとって学校は第一言語の獲得に大きな意味を持つ。従って,ろう学校でどんな手話が使われているかがそれぞれの地域の手話の種類を決めていくこととなる。西アフリカにおいては,A・J・フォスター(アメリカ手話の話者)とその弟子たちによるろう者のためのろう者による教育が大きな影響を及ぼしたことがわかった。一方,東アフリカのケニア手話にもアメリカ手話からの借用語彙が多くみられるが,その経緯はまだ調査中である。今後さらにアフリカの諸手話言語の形成過程を視野に入れて記述研究を進める予定である。アフリカの手話の分布やありようがさらに分かるようになると,人間の言語能力の解明に大きな責献ができるはずである。

  • Research Products

    (10 results)

All 2007 2006

All Journal Article (7 results) Book (3 results)

  • [Journal Article] How do Deaf women in Kenya view empowerment by education?2007

    • Author(s)
      Miyamoto, Ritsuko
    • Journal Title

      AFRICAN JOURNAL OF EDUCATION STUDIES VoL.1 No.5(印刷中)

  • [Journal Article] ろう者と手話の文化人類学:その必要性と課題2007

    • Author(s)
      亀井伸孝
    • Journal Title

      人類学研究所通信(南山大学人類学研究所) 15

      Pages: 3-9

  • [Journal Article] The Birth of Langue des Signes Franco-Africaine : Creole ASL in West and Central French-speaking Africa2006

    • Author(s)
      Kamei, Nobutaka
    • Journal Title

      Online conference paper of Languages and Education in Africa Conference (LEA2006). Oslo : University of Oslo.

      Pages: 10

  • [Journal Article] アフリカの手話言語:言語地図・危機言語・クレオール2006

    • Author(s)
      亀井伸孝
    • Journal Title

      Ex Oriente(大阪外国語大学言語社会学会) 13

      Pages: 297-299

  • [Journal Article] 開発において手話の自由を:ろう者の言語的自由と豊かさに関する逆説2006

    • Author(s)
      亀井伸孝
    • Journal Title

      アジ研ワールド・トレンド 135

      Pages: 16-19

  • [Journal Article] アフリカのろう者(12)グローバル化の中で2006

    • Author(s)
      亀井伸孝
    • Journal Title

      手話コミュニケーション研究 59

      Pages: 83-89

  • [Journal Article] 世界の危機言語:アメリカ人類学会第104回年次大会分科会報告2006

    • Author(s)
      亀井伸孝
    • Journal Title

      手話コミュニケーション研究 59

      Pages: 62-69

  • [Book] アフリカの医療・障害・ジェンダー -ナイジェリア社会ヘの新たな複眼的アプローチ-(うち担当部分は「ろう者コミュニティと手話」157-184)」(落合雄彦・金田知子編)2007

    • Author(s)
      亀井伸孝
    • Total Pages
      257
    • Publisher
      晃洋書房
  • [Book] 発展途上国のろう者コミュニティ(うち担当部分は「カメルーンのろう者コミュニティ」(森壮也・小林昌之編)2007

    • Author(s)
      亀井伸孝
    • Publisher
      明石書店(印刷中)
  • [Book] アフリカのろう者と手話の歴史--A・J・フォスターの「王国」を訪ねて2006

    • Author(s)
      亀井伸孝
    • Total Pages
      256
    • Publisher
      明石書店

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Published: 2008-05-08   Modified: 2016-04-21  

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