2005 Fiscal Year Annual Research Report
インタネットを利用した所有名詞表現の分布と情報構造に関する理論的・実証的研究
Project/Area Number |
16652035
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大庭 幸男 大阪大学, 文学研究科, 教授 (90108259)
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Keywords | possessive expression / part-whole relation / discourse / animacy hierarchy / gender scale / focus / new information theme / old information topic |
Research Abstract |
今年度は、昨年度に引き続き、英語の'sを伴う所有表現(NP_1's NP_2)に関わる資料を収集し、データベース化した。特に、この種の所有表現を(1)部分全体関係を表す表現(the churche's entrance),(2)身体の一部分を表す表現(John's hands, the cat's tail),(3)親族関係を表す表現(John's father, Mary's cousin, Bill's children),(4)いわゆる関係語とよばれる表現(John's employer, the room's occupant),(5)時間関係を表す表現(yesterday's work, tomorrow's conference, last year's news)に分類して資料を収集した。資料は主にインタネット(新聞、雑誌等)や電子化されてコーパスである「ICAME COLLECTION」とBritish National Corpusを利用した。 先行研究としてQuirk et.al(1972)とHawkins(1981)がある。前者はGender Scale(human male and female < human dual < human common < human collective < higher animals < higher organisms < lower animals < inanimates)を提案し、このスケールで左側にある要素が'sの形式を伴って右側の要素をとる(たとえば、human male(=John)<inanimate(=book)であればJohn's bookとなる)と説明する。また、後者はAnimacy Hierarchy(human < human attribute < non-human animate < non-human inanimate))を仮定し、所有表現の分布を説明する。 本研究で収集された資料を検討した結果、所有表現形式NP_1's NP_2では、NP_1に生じるのは[human]が一番多く、次に[animal]が用いられることが分かった。その際、NP_1とNP_2がともに[human]である場合、この2つのNPの間に親族関係があるケース(John's brother)が多い。また、NP_1が[human]でNP_2が[inanimate]である場合、両者の間には身体の一部分を示す関係がみられた。これに対して、NP_1には[inanimate]はあまり多くは生起しないが、生起する場合には部分と全体の関係を示すケース(the hotel's hall)が殆どであった。
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Research Products
(2 results)