2005 Fiscal Year Annual Research Report
国際語としての英語の音声理解及び内容理解に関する基礎的研究
Project/Area Number |
16652043
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
松浦 浩子 福島大学, 経済経営学類, 教授 (70199751)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千波 玲子 亜細亜大学, 国際関係学部, 教授 (10227332)
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Keywords | 国際語としての英語 / intelligibility / 慣れ / 不安度 / 英語力の自己評価 / 学習動機 |
Research Abstract |
本研究の目標は、国際語としての英語使用者である日本語母語話者の音声英語の理解について実証的に研究することである。研究2年目の本年度は、音声英語に対するintelligibility(音声理解度)に影響を及ぼす聞き手側要因の探索を目的として、2本の実証研究を行った。Intelligibilityの尺度としてはクローズ・ディクテーションを使用した。 1つ目の研究は、英語母語話者であるアメリカ人及び非母語話者のホンコン出身中国人吹き込み者の英語を日本人大学生に聞かせ、英語変種に対する慣れ、不安度、英語力の自己評価のうちから、intelligibilityを最もよく説明する学習者要因を見つけ出すというものである。分析の結果、アメリカ英語及びホンコン英語のディクテーション・スコアを最もよく予測できたのは英語力の自己評価であった。また、ホンコン英語に関しては、多くの変種に対する慣れも影響を及ぼすであろうことが示唆された。 2つ目は、上記と同様、日本人大学生にアメリカ英語及びホンコン英語をディクテーションしてもらい、そのスコアと英語学習動機との関連について調べるというものである。被験者の学習動機は、因子分析の結果、「外国人との交流」、「国際的職業へのあこがれ」、「英米文化指向」、「外国旅行と外国滞在」、「一般的必要性から」、「英米音楽を学ぶ」、「道具的動機づけ」の7つに大別された。これら学習動機のうち、「国際的職業へのあこがれ」が両英語のディクテーション・スコアを最もよく予測できる因子であることがわかった。一方、「一般的必要性」は高得点に結びつきにくい因子であった。多様な英語に対する聴解力を高めるためには、個人的目標を持ちながら学習することが重要であるものと思われる。
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