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2004 Fiscal Year Annual Research Report

「民俗文化」を活用したまちづくりと住民アイデンティティの再構築に関する研究

Research Project

Project/Area Number 16652066
Research InstitutionTohoku Gakuin University

Principal Investigator

政岡 伸洋  東北学院大学, 文学部, 助教授 (60352085)

Keywords民俗の実践 / まちづくり / 住民アイデンティティ / 中山間地域 / 部落解放運動 / 地域社会の再編成
Research Abstract

本年度は3年計画の初年度であることから、研究課題に関連する研究著書や論文、報告書等の収集とその分析を行いつつ、本研究の中心となる大阪府和泉市旧南王子村および徳島県三好郡東祖谷山村で調査を実施したが、以下のような知見が得られた。
旧南王子村では、新たな人権活動のあり方を求め、いち早く部落解放運動からNPOにシフトしたダッシュの活動を中心に、これが運営する和泉市人権文化センター人権資料室の民俗展示および部落外の人を対象にいくつかのテーマに沿って地区内を案内するダッシュ・ツアーの内容の分析を行ったが、民俗の諸相は部落外とほとんど変わりない反面、今日活用される「民俗」は同和対策事業による生活環境改善以前の差別にかかわる生活文化が中心で、これをもとに被差別部落としての地域の特性が紹介される。また、過疎化や公共事業への依存といった中山間地域特有の問題を抱える東祖谷山村では、「秘境」と「自然」を軸に地域おこしが行われ、これと並行する形でふるさとづくり実行委員会によるさまざまなイベントが行われているが、ここでは平家落人伝説を軸に「民俗」というものが活用され、秘境イメージとも関連しあって、東祖谷山村の地域的特性を象徴しているのである。
ところで、これらの新たな展開は、一方では同和対策事業の終結、もう一方は財政危機に伴う公共事業の見直し等、近年の政策転換に伴う反応のひとつとしても理解できるが、ここでの「民俗」の活用の有様は、今日の被差別部落、また中山間地域が抱える問題を前提とした、まさに現代社会における地域の位置づけに基づくものといえる。そこで、次年度以降は、引き続き旧南王子村と東祖谷山村において、このような「民俗」活用の実態が、今度は「まちづくり」という名の下で住民アイデンティティの問題にいかに関わっていくのか、また他の地域においても同様の理解が得られるのかを調査検討していく予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2005

All Journal Article (1 results)

  • [Journal Article] 小さな博物館の大きな試み-和泉市立人権文化センター人権資料室-2005

    • Author(s)
      政岡 伸洋
    • Journal Title

      東北学院大学博物館学芸員課程報 27

      Pages: 1-2

URL: 

Published: 2006-07-12   Modified: 2016-04-21  

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