2005 Fiscal Year Annual Research Report
ネットワーク外部性を有する新製品の採用に関する研究
Project/Area Number |
16653032
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
川上 智子 関西大学, 商学部, 助教授 (10330169)
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Keywords | ネットワーク外部性 / 新製品の採用 / DVDプレイヤー / 消費者行動 / 携帯型デジタル音楽プレイヤー |
Research Abstract |
研究年度2年目に当たる本年度は,2004年度に実施した学生サンプルを対象としたデータの分析結果に基づいて概念モデルおよび測定尺度を再検討するとともに,調査対象を学生から一般家庭の消費者に広げ,新たなデータ収集を行なった。また,研究対象とする製品も,DVDプレイヤー/レコーダーのみならず,携帯型デジタル音楽プレイヤーも追加し,二種類の製品の新製品採用行動に関する比較研究に拡張した。 質問票調査の実査は,2005年6月から7月にかけて,外部調査会社と共同で実施した。手法としては,大規模サンプルからのデータ収集が容易なインターネットによる調査を採用した。外部調査会社を利用したのは,ネット調査による信頼性を確保するため,身元の確認が可能な消費者モニターを確保している企業の協力が必要であったためである。調査の結果,DVDプレイヤー/レコーダーおよび携帯型デジタル音楽プレイヤーそれぞれについて400名の消費者から回答を得た。 データ分析も順調に完了し,概念モデルの妥当性が検証される一方で,製品の種別による新製品の採用行動の違いという興味深い知見も得られた。現在,最終研究年度である2006年度中の国際ジャーナルヘの投稿に向けて,海外協力研究者とともに英語論文を執筆中である。 なお,昨年行なった学生サンプルのデータを分析し,海外協力研究者と共著で執筆した英語論文は,2005年12月にEMAC(The European Marketing Academy:ヨーロッパ・マーケティング学会)の国際カンファレンスに投稿し,2006年2月に受理された。2006年5月にギリシアのアテネでプレゼンテーションを行なう予定である。この国際カンファレンスは,完全な論文を事前に提出することが要請され,所定の審査を経て受理されるものである。現時点では未刊行のため,投稿論文は来年度の研究実績として報告する予定である。
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