2004 Fiscal Year Annual Research Report
北東アジア諸国の福祉レジームに関する脱オリエンタリズム的な国際比較研究
Project/Area Number |
16653035
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
武川 正吾 東京大学, 大学院・人文社会研究科, 教授 (40197281)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤村 正之 上智大学, 文学部, 教授 (00190067)
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Keywords | 福祉国家 / 福祉政策 / 福祉多元主義 / 脱オリエンタリズム / 社会政策 |
Research Abstract |
本研究は,北東アジア諸国のうちのとりわけ日本,韓国,中国における福祉レジームを脱オリエンタリズム的なアプローチによって国際比較研究することを目的としている.本年度は,既存の研究蓄積の確認に力点を置いた.2004年秋にソウルの中央大学校においてセミナーを開催し,研究代表者の武川正吾と研究分担者の藤村正之が福祉多元主義や日本の福祉政策の現状についての報告をした.韓国側からも多数の出席を得て,議論が深まった.また採択が年度途中であったため時間的な制約があったが,当初の計画どおり,3月に東京でワークショップを開催した.イ・ヘギョン延世大学教授,キム・ヨンミョン中央大学教授,ナム・チャンソブ・ソウル神学大学社会福祉学科教授,チュェ・ウンヨン韓国保健社会研究院社会政策室責任研究員,ヤン・ジェジン延世大学助教授を招聘した.ムン・ジンヨン西江大学教授は自費で参加した.また日本側からは研究分担者の武川正吾,藤村正之に加えて,平岡公一お茶の水大学教授,大沢真理東京大学教授,下平好博明星大学教授が報告し,また,埋橋孝文日本女子大教授,野口定久日本福祉大学教授,小松理佐子同助教授などが参加した.従来の社会政策に関する学術的な国際会議では,一つの報告で一つの国を扱うという形式が多かったが,今回は,歴史,年金,対人社会サービス,労働市場,ジェンダーなどのテーマ別に日韓両国から一報告ずつがなされるという方法を採用しており,その意味で国際比較に関する会議としては若干の進歩があった.ワークショップに提出されたペーパーをもとにして,研究報告書を刊行することを予定しており,これは平成17年度以降の課題となる.
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