2005 Fiscal Year Annual Research Report
異文化組織における摩擦原因条件を解析する方法論の構築
Project/Area Number |
16653040
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
河野 康成 立教大学, 社会学部, 助手 (70366920)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久米 昭元 立教大学, 社会学部, 教授 (50131199)
酒折 文武 立教大学, 社会学部, 助手 (90386475)
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Keywords | 異文化摩擦 / 外国人労働者 / 異文化コミュニケーション / Quine-McCluskyアルゴリズム / CARTアルゴリズム / 質的量的研究法 / 留学生調査 |
Research Abstract |
本研究の目的は、多国籍企業や外国人労働者を抱える日本国内の企業等で生じている異文化摩擦に関して、属性等の原因条件から因果関係を分析しうる方法を構築することにある。 異文化摩擦を分析するための手法として、Quine-McCluskyアルゴリズムと決定木分析のひとつであるCARTのアルゴリズム(ジニ係数)の量的方法と自由解答分析の質的方法を併用する方法を考案した。具体的には、CARTアルゴリズムによって有用な変数を選択した後に、Quine-McCluskyアルゴリズムを用いて変数縮約を行い、疑わしい結果に対して自由回答分析によって妥当性の検討を行うという手順を取った。 本調査である企業に調査をする前に、本手法の有効性を探るために留学生を対象にプレサーベイを行った。調査結果の中で、「留学生が抱く日本の大学システムへの不満事項」と「留学生の属性」との因果関係に関して分析を行った。今回は、大学システムに対する不満に関する質問紙調査を都内の某私立大学で実施した。被調査者は、留学生とし、留学生特有の問題であるかどうかを判断するために日本人(帰国子女含む)学生も加えた。被調査者の内訳は、有効回答131名(留学生61名・日本人学生64名・帰国子女6名)、無効回答2名(日本語の質問紙が読めない理由で返却)であった。 分析の結果、本手法のある程度の効果はみられたものの、留学生の出身地域や言語等に関する質問項目内容や自由回答の設定に改善の余地があった。これらの改善点と共に、質問紙調査ではご法度とされてきた人種や民族についての属性項目についても、慎重に検討しながら取り入れ、再度プレ調査を施した後に企業調査を行う予定である。
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Research Products
(5 results)