2004 Fiscal Year Annual Research Report
若年者の就業に向かう自信の構造と効果的支援に関する学際的研究
Project/Area Number |
16653051
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
古川 久敬 九州大学, 人間環境学研究院, 教授 (30190143)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土戸 敏彦 九州大学, 人間環境学研究院, 教授 (30113096)
野島 一彦 九州大学, 人間環境学研究院, 教授 (20091241)
吉本 圭一 九州大学, 人間環境学研究院, 助教授 (30249924)
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Keywords | 就業への自信 / インターンシップ / キャリアアンカー / 社会規範 / 就職支援 / ジョブカフェ |
Research Abstract |
本年度は4つのことを検討した。 1 若年者の就業に向かう自信の心理的構造についての基礎的研究 「自信」と関連すると考えられる既存の心理学的概念について理論的な整理を行うとともに、インターンシップに取り組む大学生を対象とする時系列の面接調査を実施し、その分析結果をもとにして「自信」の構造にかかわる仮設モデルを設定した。若年者の自信を把握するには,「就職前」の就職活動にかかわる自信と「就職後」の就業にかかわるそれとに分けてとらえる必要がありそうなこと、そして自信を持つ個人ほど就職活動に対する意欲が高く、就業に関する将来展望も明確であった。またインターンシップ前後の心理変化についても聴き取りを行った。そして就業への自信を維持できている学生ほど、インターンシップ期間中の成功や失敗の原因を「方略」に帰属する傾向がみられることも判明した。 2 キャリアアンカーの測定およびそれが持つ効果についての検討 自信の構造と密接に関連すると考えられるキャリアアンカーについて文献的に情報収集するとともに、その視点から中国の高等教育におけるその実態についての調査研究を実施し、論文にまとめた。 3 就業態度の生成と構造についての考察 若年者の自信を脅かす負の要因を考察し、なかでも社会規範に対する態度が従属や拒否の軸にしか関わっていないケースに着目している。この状況からの離脱の試みとして、規範を受け入れるかどうかという態度ではなく、規範そのものの定立に関わる態度の育成を図る方略について教育哲学の観点から考察を試みた。 4 若年者への就業支援の実情についての情報収集 自治体を中心とする支援プログラム、例えば「就業体験」(福岡県)などの地方公共団体が実施している活動の実情にかかわる情報を収集した。
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