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2005 Fiscal Year Annual Research Report

創造的発見を生み出す「失敗体験様式」の機能的解明と啓発

Research Project

Project/Area Number 16653056
Research InstitutionKyushu University

Principal Investigator

丸野 俊一  九州大学, 人間環境学研究院, 教授 (30101009)

Keywordsつまずき体験 / 新たな知や理論の創出 / 知的満足の遅延 / 曖昧性 / 不確定性 / 自己省察
Research Abstract

17年度は、次の三つの理論的・調査的研究を行った。
1)「つまずき」体験の受け止め方の解析:世界的レベルの記録を打ち立てていくスポーツ選手を中心にインタビューし、偉大な業績や記録を生み出している人々に共通している「つまずき体験」の受け止め方の特徴について解析した。アテネオリンピックで金メダルを取った選手や身体に障害を持ちパラリンオリンピックで活躍した選手に共通した「つまずき体験」の受け止め方の特徴として、(1)その場面を新たな展開や発展や進歩が期待できる可能性が潜在しているとポジチブに評価し、前向きに努力する、(2)つまずき体験をつまずき体験としてとらえるのではなく、そこから「何を学ぶか」という姿勢が重要である、(3)つまずき体験前後で自己の「価値観や世界観」に敏感になり、自己省察に心を開くようになる。
2)「つまずき体験」の克服過程:偉大な業績や記録を生み出している人々に共通する克服過程として、(1)あらゆる角度から問題や状況についての分析(状況との対話)、自己の取り組みについての批判的分析(自己内対話)を再帰的に加える、(2)直ぐに考えら取り組みの姿勢を変更するのではなく、納得できるまで自分のこれまでの考え方や取り組み方の姿勢に「こだわってみる」、(3)自分の思考を対象化し、現実世界との間の関係を多面的視点から吟味検討し、持続的な省察的思考を繰り返す。
3)知的満足の遅延と心的努力の過程との関連:偉大な業績が創出されていく過程には、必ず「曖昧性や不確定性」を実感しながら新たな解決策や手がかりを追求し続ける過程をともなる。新たな知や理論の創出はその過程を如何に克服しているか否かに依存するのであるが、知的満足の遅延(academic delay of gratification)の程度ないしは強さが、創造的なパフォーマンスを生み出す過程で極めて重要な機能を果たす事を実験的に明らかにした。

  • Research Products

    (2 results)

All 2005

All Journal Article (2 results)

  • [Journal Article] 知的満足の遅延2005

    • Author(s)
      丸野俊一
    • Journal Title

      学校図書館 657

      Pages: 64-65

  • [Journal Article] EQとはなにか2005

    • Author(s)
      丸野俊一
    • Journal Title

      教育と医学 629

      Pages: 4-15

URL: 

Published: 2007-04-02   Modified: 2016-04-21  

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