2005 Fiscal Year Annual Research Report
自己描画法に関する臨床発達基礎研究〜描画の収集と質的分析
Project/Area Number |
16653060
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
小山 充道 信州大学, 教育学部, 教授 (20170409)
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Keywords | 自分描画法 / 臨床発達 / "思い"の質的分析 |
Research Abstract |
自分描画法研究の2年目の課題は「成人および高齢者の資料の収集および分析」がテーマであった。当初研究に関わる研究実施内容と、当初研究に追加した視点とそれに関連した実施内容の詳細を以下に箇条書きで示す。 (1)成人資料として学校教員を対象に男71+女84=155名の自分描画法資料を得た。さらにその一部に自分描画法を同時期2回反復試行(相互自分描画法)。自分描画と対話との相乗効果をみるという視点を加え、その効果の検討を行なった。 (2)新たに追加資料として、心理学を専攻するS大学女子135名対象に、全員が2人1組になり、援助者役と描画者役を一人が体験することの効果(相互自分描画法)を検討。さらに「自己分析内容と実施にあたっての感想」を聴き、自分描画法研究を深める手がかりを得た。 新たに追加資料として専門学校に通う高校卒の学生44名を対象として、自分描画法と相互自分描画法を体験。同年代の大学生(信州大学生)との"思いの内容"の違いについて検討。 (3)昨年収集した男子大学生データを30名分(信州大学生)追加した。昨年度実施分(男77名、女113名=190名)と合わせて=男106名+女114名=220名となった。大学生データはこれを使う。 (4)須坂市および長野市社会福祉協議会の協力を得て、5箇所の老人福祉センター内で高齢者のデータを得た。その結果、男40名、女87名=127名の資料を収集。高齢者は集団で実施するのは難しく、また不安感が高いために描画時、個人的対話に応じながら個々のデータの正確性につとめた。 (5)最後に大学生(岩手大学および信州大学)177名の資料を収集。描画実施者自身による自己分析および評価を求あ、自分描画法の分析手がかりを得た。 (6)次年度以降の研究を想定して、試行的に、臨床群として須坂市高齢者総合福祉施設須坂やすらぎの園の協力を得て、認知症を伴う高齢者のデータを8名分収集した。実施後、自分描画法実施にあたって、どのようなむずかしさがあるのかの検討を対象者の生活指導担当者と行なった。 本年度は日本心理臨床学会第24回大会(於:国立京都国際会館、平成17年9月6日)で「自分描画法-小学生の資料分析」というテーマで単独報告。さらに日本箱庭療法学会第19回大会(於:明治大学、平成17年10月10日)でも「自分描画法-中学生の資料分析」というテーマで単独報告し,専門家との意見交流を行なった。
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Research Products
(2 results)