2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16653067
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中島 祥好 九州大学, 大学院・芸術工学研究院, 教授 (90127267)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 和夫 九州大学, 大学院・芸術工学研究院, 助教授 (80254316)
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Keywords | 音楽療法 / 音楽心理学 / 脳波 / 主観評価 / α波 / リラックス効果 / モーツァルト / 音楽産業 |
Research Abstract |
日本の音楽療法の現状について、音楽療法関係の組織、資格制度、その養成に関する包括的な調査とそれらの諸外国との比較調査を行った。現在日本には統一された組織はなく、日本音楽療法学会、全国音楽療法士養成協議会、大学や専門学校などの養成校、兵庫県や岐阜県などの自治体、その他病院、施設、研究所や個人が独自に活動を行っている。各組織の活動内容に関する調査により、音楽療法の臨床実践内容、「音楽療法士」等の資格取得に必要な講義履修内容、履修時間、資格取得に必要な要件やそのレベル等は多種多様であることが判明した。その中でも最大規模である日本音楽療法学会においては、音楽療法関係の国家資格を作って音楽療法士の地位とレベルの向上を図ろうとする動きがあり、関係各所で大きな議論がなされているが、現段階で実現される可能性は高くはない。これらのことから、引き続き各組織や個人による自由な音楽療法活動が行われることが推察される。そのように多様な音楽療法の活動のすべてに共通して、一般的な観点から考えて最も重要視すべきであるのは、その効果が十分に認められるかどうかである。結果が必ずしも数値として現れるものとは限らないため苦慮されている部分ではあるが、生理学的な指標を使った測定、主観的評価や行動変容の継続的な記録等が行われ、適切な効果測定に関する研究も次第に活発になってきている。本研究においては、特に「モーツァルト効果」と呼ばれるものに対する効果測定の一環として、楽曲聴取時の脳波変動について音楽経験者と未経験者を比較する実験を行った。「モーツァルト効果」では音楽経験によってその効果が変わることが報告されているが、本実験の結果では、少なくとも脳波変動については有意な差が見られないことが確認された。
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