2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16653068
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
竹市 博臣 独立行政法人理化学研究所, 加速器利用展開室, 先任研究員 (60242020)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本村 信治 独立行政法人理化学研究所, 加速器利用展開室, 基礎科学特別研究員 (20360654)
榎本 秀一 独立行政法人理化学研究所, 加速器利用展開室, 先任研究員 (10271553)
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Keywords | コンプトン散乱 / ガンマカメラ / 応答関数 / 画像再構成 / 反復法 / デコンボリューション / 体動補正 / ファントム |
Research Abstract |
平成16年度の本研究課題では、コリメータを用いず、エネルギー分解能の高い半導体検出器を用い、コンプトン散乱の運動学からガンマ線の入射方向を求めるガンマカメラ・試作機(GREI)の全体的な性能を評価するため、Zn-65、Fe-59、Y-88を主成分とするRIトレーサーを投与した生物標本の多核種同時撮像を行った。その結果、とくに放射ガンマ線の総エネルギーが小さい核種で、ガンマ線と検出器の相互作用で放出されるエネルギーが小さい場合、すなわち散乱角が小さい場合に対応する必要があることがわかった。これはHf-175およびTc-95mから放射される低エネルギーガンマ線の応答関数実測実験でも確認された。実際にデータを再構成した結果、単純逆投影とフーリエ変換を用いたデコンボリューションの組み合わせによる画像再構成は、応答関数の位置依存性およびエネルギー依存性の観点から改善の可能性があることがわかった。実験結果に基づき、核種ならびに化学形に関する調査および検討を行った結果、被ばくによる影響なども考慮すると、医療用に使用される低エネルギーガンマ線放射核種を用いた撮像が現実的であることがわかった。反復法による画像再構成は、原理的には応答関数のパラメーター依存性に対処できるが、現実には計算時間が長く、また応答関数データもルックアップテーブルでは膨大になるため、計算法の抜本的改良が必要である。さらに高解像度・定量撮像のためには、散乱補正、減弱補正、および体動補正も考慮しなければならない。画像再構成がボトルネックであるため、基礎的なデータとして、球体表面に沿ってMn-54線源を回転させた擬似球面ファントム、および、細管に生物標本撮像で使用したRIトレーサーを充填した棒状ファントムを撮像した。現在解析中である。また、Be-7およびSr-85の点線源を製作中である。
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Research Products
(6 results)