2005 Fiscal Year Annual Research Report
躾本の変遷およびそれをめぐる論争の根底にある教育学的思考の分析
| Project/Area Number |
16653071
|
|---|
| Research Institution | Tokyo Gakugei University |
|---|
Principal Investigator |
山名 淳 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (80240050)
|
|---|
| Keywords | メディア / 絵本 / 躾 / 心性史 / 文明化 |
|---|
| Research Abstract |
本研究の申請時に作成した研究計画に従って、研究調査を行った。科学研究費補助金による研究調査の2年目は、とりわけ、ドイツ語圏における各史料館へのコピー依頼を重点的に行った。平成16年度のドイツ渡航調査によって、重要な『もじゃもじゃペーター』類似本の多くを入手(デジタル・カメラによる撮影ないしはコピー)することができたが、まだ入手できていない類似本を取り寄せるために、ドイツ語圏を中心とした各史料館に対して東京学芸大学附属図書館を通じて複写依頼を出し、本研究において分析対象となる類似本収集を進めた。海外へ依頼する複写代のため、本年度の研究経費において「その他」の支出が多くなった。
それと同時に、昨年度から今年度にかけて収集したデータを整理し、躾の絵本に関する本研究の分析を研究目的欄で示した観点にしたがって精緻化するための準備を行った。データ処理のために研究を補助するスタッフが必要となったために、謝金の支出が昨年度よりも増えた。なお、「もじゃもじゃペーター群」の基本特徴および教育学的観点から重要と考えられる類似本の抽出の結果については、東京学芸大学の紀要論文において本研究の暫定的成果として提示した。さらに、2月27日に東京大学において開催された国際シンポジウム「イメージ・イマジネーション・メディア」において、本研究の暫定的な成果を発表した。
国内の調査については、国際子ども図書館(上野)で開催された「もじゃもじゃペーター」展を訪問し、関係者に話を聞くと同時に、同図書館における関連図書の蔵書状況を確認した。来年度は、同図書館における関連図書についてさらに調査をし、本研究の対象候補として検討することにする。
|
