2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16653073
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
前平 泰志 京都大学, 教育学研究科, 教授 (70157155)
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Keywords | 地域通貨 / コミュニティ / 時間銀行 / 共生 / ボランティア / アイデンティティ / 生涯学習 |
Research Abstract |
今年度は、昨年度のフィールド研究調査をもとに、主として二つの研究報告会を組織した。ひとつは、日本社会教育学会の6月集会において、「地域通貨と生涯学習のインターフェイス」(6月5日於:東京大学)と題して、メディアをつかった地域通貨の可能性を日本総研の嵯峨生馬氏に語ってもらった。氏は、NPO法人アースデーマネー・アソシエーション代表理事を務め、援農などを通して理論と実践の双方にわたって活躍されている人である。また、多摩市役所に勤務する鈴木久美子氏には、子育て期の親による地域通貨の実践報告を行ってもらった。もうひとつは、日本社会教育学会大会において、ラウンドテーブル「地域通貨制度と生涯学習 その4」(9月18日 於:千葉大学)を企画し、調布地域通貨「さーらの会」の長谷智子氏、およびケヤキコミュニティ協議会エコマネー「エト」の安藤頌子氏から、まちづくりと地域通貨の関係について語ってもらった。いずれの報告会も、参加者を交えた熱心な議論がくりひろげられた。 調査研究としては、韓国の光明市に赴いた。同市にある「光明生涯学習コミュニティセンター」は、地域通貨を通じて学びのネットワークを構築し運営しているが、このアイデアは日本の地域通貨の実践をモデルにしているという点で興味深い。同センターでは、状況を視察し、センター長から話を聞いた。韓国での地域通貨の実践はきわめて珍しく、また生涯学習センターが中心になっているという点から、筆者の研究関心と直接結びつくものである。
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