2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16653078
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Research Institution | National Institute for Educational Policy Research |
Principal Investigator |
川島 啓二 国立教育政策研究所, 高等教育研究部, 総括研究官 (50224770)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小松 郁夫 国立教育政策研究所, 教育政策・評価研究部, 部長 (10130296)
秦 由美子 大阪大学, 大学教育実践センター, 助教授 (30263031)
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Keywords | ギャップイヤー / イヤーアウト / 就労体験 / ボランティア / 社会体験 |
Research Abstract |
ギャップイヤー(Gap Year)とは、大学入学を一年間繰り延べて、その間に就労体験、奉仕活動、旅行などを行うことによって若者の成熟と自立を促す、現代イギリスの社会的制度である。大学入学予定者のおよそ10%の学生がこの制度を利用するといわれている。 本研究は、ギャップイヤーの実態と機能、ならびにそれを支える社会的条件を明らかにすることにより、現代日本の大学教育改革への有用な示唆を得ようとする試みである。 本年度は以下の活動を行った。 (1)ギャップイヤー及びその周辺領域の先行研究について吟味・検討を行った。具体的には、ギャップイヤーに関連する英文文献、そして、イギリスの試験制度、大学入学システム、ギャップイヤーを支える社会的通念やボランティア活動などについての社会学的研究などの内外の文献及び資料の収集を行い、分析を行った。そして、ギャップイヤー制度を支えている社会的基盤の理解に努め、問題軸の補強・修正・改善のための準備に努めた。また、イギリス教育技能省によるレポート=Review of Gap Year Provisionの検討を行った。 (2)イギリスとアメリカへの海外調査を実施した。イギリスについては、UCAS、そしてギャップイヤー支援団体である、Year in Industryのノッティンガム大学及びバーミンガム大学支部、そしてGap Activity Projectを訪問し、ギャップイヤー制度の目的、現状と課題、それぞれの組織の立場、今後の展望等についてヒアリングを行った。アメリカについては、UCBやスタンフォード大学等のキャリアセンターを訪問し、Gap Year (Year Out)の浸透状況やイギリスのギャップイヤー支援団体のアメリカでの活動について、ヒアリングを行った。
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