2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16653078
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Research Institution | National Institute for Educational Policy Research |
Principal Investigator |
川島 啓二 国立教育政策研究所, 高等教育研究部, 総括研究官 (50224770)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小松 郁夫 国立教育政策研究所, 教育政策・評価研究部, 部長 (10130296)
秦 由美子 大阪大学, 大学教育実践センター, 助教授 (30263031)
小山 悦司 倉敷芸術科学大学, 国際教養学部, 教授 (50162079)
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Keywords | ギャップイヤー / イヤーアウト / 就労体験 / ボランティア / 社会体験 |
Research Abstract |
ギャップイヤー(Gap Year)とは、大学入学を一年間繰り延べて、その間に就労体験、奉仕活動、旅行などを行うことによって若者の成熟と自立を促す、現代イギリスの社会的制度である。大学入学予定者のおよそ10%の学生がこの制度を利用するといわれている。 本研究は、ギャップイヤーの実態と機能、ならびにそれを支える社会的条件を明らかにすることにより、現代日本の大学教育改革への有用な示唆を得ようとする試みである。 本年度は、昨年度の文献調査・海外訪問調査を踏まえて、以下の活動を行った。 (1)昨年度のアメリカ調査(スタンフォード大学キャリア開発センター、カリフォルニア大学バークレー校キャリアセンター、ミルズ・カレッジ国際学習資料センター)の成果を整理し、さらに事例を増やして知見の普遍化を図るため、同種の組織・団体についてWEB上での調査を行った。また、イギリスのギャップイヤー支援団体であるBUNACのアメリカでの活動について、同プログラムを利用した学生の体験を踏まえた資料から、アメリカ人大学生の学外体験について、分析・検討しペーパーにまとめた。 (2)イギリスへの海外調査を実施した。イギリス教育技能省によるレポート=Review of Gap Year Provisionの執筆者である、ロンドン大学バークベック・カレッジのアンドリュー・ジョーンズ氏からギャップイヤーをめぐる英国教育技能省の政策について、また、ギャップイヤー支援団体であるYear in Industryと提携して大学等の教育プログラムに関与しているRoyal Academy of Engineeringを訪問して、同団体の活動と今後の展望について、聞き取り調査を実施した。さらに、南ロンドンのコネクションズ・オフィスを訪問し、包括的な若者政策の中でのギャップイヤーの位置づけなどについて聞き取り調査を行い、研究の全体像の構築と精緻化に努めた。
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