2004 Fiscal Year Annual Research Report
外国人児童・生徒の学習を支援する市民団体と学校のネットワーク形成に関する日独比較
Project/Area Number |
16653080
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
中山 あおい 大阪教育大学, 留学生センター, 講師 (00343260)
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Keywords | 外国人の子ども / 学習支援 / 学校と地域の連携 |
Research Abstract |
平成16年度は、外国人児童・生徒の学習を支援する市民団体として、大阪市にあるボランティア団体「ことばの会」に参加し、外国人の子どもに対する支援活動の様子を調査した。「ことばの会」では、大阪市立総合生涯学習センターと提携してボランティア養成講座を開催し、小学校や中学校の教師を講師として招き、外国人児童・生徒の教育課題について現場の教師とボランティア市民との情報の共有化を行っていた。また養成講座の受講者のなかから新たなボランティアを募集することで、支援者の組織が形成され、学習支援のネットワークが拡大していく様子が観察された。市民団体の養成講座を通して、行政と小・中学校の教師、ボランティアが結びつき、あらたな支援活動が生み出されていく過程が明らかになった。また、大阪府外国人教育研究会や関西日本語指導者研究会にも参加し、教師の間で情報交換とネットワークの形成が行われていることがわかった。 一方、ドイツの外国人の子どもの支援団体であるRegionale Arbeitsstelle zur Forderung von Kindern und Jugendlichen aus Zuwandererfamilie (以下RAA)を訪れ、RAAが市民団体と学校を結びつけるコーディネーターとしてどのように機能しているのか、インタビュー調査を行った。RAAでは外国人の子どもの学習支援を行う他に、教師のための現職教育を行ったり、大学との連携で学習支援プロジェクトを実施するなど、幅広い活動を展開していることがわかった。また、RAAのソーシャルワーカーが学校の中に入り込んで外国人の子どもの支援活動を行うなど、学校との連携が進んでいる。このようなRAAの活動は、日本における学校と市民団体との連携を考えていく上で示唆的である。本年度は日本とドイツの支援組織について調査を行ったが、支援組織相互の連携についてさらに調査し17年度に成果をまとめて発表したい。
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