2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16653093
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
加藤 靖佳 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 助教授 (10233826)
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Keywords | 聴覚障害 / 発話 / 音声 / 歌唱 / 音響分析 |
Research Abstract |
聾学校幼稚部の幼児を対象に、言語指導場面、発音・発語指導場面、および遊び場面における発話の音声を録音・録画した。録音された音声サンプルは、DVDに記録した。録音された音声から明瞭性の高い音声を抽出し音響分析をおこなった。分析パラメータは、基本周波数、持続時間であった。音声の分節的特徴である明瞭性については、聴覚的評価を用いた。韻律的特徴は客観的指標として、基本周波数と持続時間を用いた。幼児と教師の発語のタイミングについて検討した結果、幼児と教師間の発話のタイミングの取り方には個人差があった。必ずしも聴力のみで決められることではなく、他の指標について検討することが課題である。 聾学校小学部の児童を対象に、歌唱場面の歌声を録音・録画し、歌声サンプルをDVDに記録した。録音された歌声について音響分析をおこなった。分析パラメータは、持続時間であった。時間的特徴については、歌詞のフレーズの持続時間は異なっていても、曲全体を通して、ある一定の拍で歌われた歌が多かった。録音された歌を採譜し、音高を指標にして分析した結果、限られた音高の範囲内で歌われているものの、平坦なパタン、フレーズ内での音高の飛躍、特定のパタンによる音高の変化などがみられた。歌によって音の高さの範囲は異なり、歌や歌詞によって音の高さを変化させていることが認められた。 聾学校小学部の児童を対象にした自由発話場面での音声を用いて歌声と比較した。基本周波数を指標にして分析した結果、自由発話場面の音声に比べて、歌声の方が変動幅が大きく、重度聴覚障害児の発音・発語訓練に歌唱を用いることの可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)