2005 Fiscal Year Annual Research Report
非有理型を含む頂点作用素代数における環論・モジュラー形式論・群論の新展開
Project/Area Number |
16654001
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
宮本 雅彦 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (30125356)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 尚昌 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 助教授 (60143161)
田邊 顕一朗 北海道大学, 理学部, 助教授 (10334038)
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Keywords | 頂点作用素代数 / 非有理型頂点作用素代数 / C2有限条件 / コホモロジー群 / 射影加群 / モンスター単純群 / テンソル積 / 完全可約 |
Research Abstract |
本年度研究実績 本研究を通して次の5つの結果(1)-(5)を発展させた。 (1)射影加群の概念および射影被覆の概念の導入: 頂点作用素代数(VOA)におけるテンソル積理論を扱い易くするために、頂点作用素代数の加群に対しても環論で通常使われている導入し、そのような加群がある種の有限条件の下では存在することを示した。しかも、それが一意的であり、射影被覆の概念が導入出来ることを示した。この応用として、 (2)テンソル積の平坦さの証明: C2有限と呼ばれるある種の有限性の仮定の下では、テンソル積の平坦さが成り立つことを証明した。この結果により、この有限条件の、テンソル積を強力な手段として利用することが可能となった。これは如何に環論的、群論的な思考が頂点作用素代数においても有効であるかを示している結果である。 (3)頂点作用素代数に対してもコホモロジー群を導入した。 射影被覆およびそれから出て来る射影分解を利用してコホモロジー群を定義した。このコホモロジー群の意味するところはまだまだ不明であるが、まず、次の点を本年度は確認した。 (4)「定理」コホモロジー群が自明であることと、頂点作用素代数が有理的であることは同値である。この結果は、2006年3月の日本数学会で講演する予定である。 (5)愛媛大学の安部氏と連絡を取り、非有理型頂点作用素代数の代表的なトリプレット代数に対するコホモロジーを計算し、それが多項式環と同型であることを得た。この多項式環の持つ意味を調べる事は重要な意味を持つと思われ、次の共同研究へ発展する予定である。
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