2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16654002
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
斎藤 秀司 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (50153804)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金銅 誠之 名古屋大学, 大学院・多元数理研究科, 教授 (50186847)
臼井 三平 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90117002)
|
Keywords | 超曲面の退化 / 極限Hodge構造 / トレリ問題 / Hodge構造の変動 / ヤコビ環 / レギュレータ写像 / Beilinson-Hodge予想 / 混合Hodge加群 |
Research Abstract |
本研究の目的は"超曲面の退化をHodge構造の退化の様子により統制すること"である。歴史的にはGriffithsがHodge構造の変動の理論の基本的な枠組みを構成した後,これを用いてDonagiが非特異な超曲面の幾何学的同型類がそのコホモロジー群上のHodge構造により決定されることを示した。これを特異点をもつ超曲面に拡張することが目的である。本年における成果として、上記問題に対する基本的な技術的道具であるヤコビ環の理論の一般化を得た。ヤコビ環の理論はもともと超曲面のTorelli問題を研究するために開発され、超曲面に付随するHodge構造の無限小部分を統制するものである。当該研究では、これを完全交叉多様体から何枚かの超局面切断を除いた開多様体(以下、開完全交叉多様体と呼ぶ)の混合Hodge構造の無限小部分を統制する理論に拡張した。さらに応用としてBeilinson-Hodge予想にたいする肯定的な結果を得た。この予想はC上の非コンパクトな代数多様体Uにたいしレギュレータ写像 reg^q_U:CH^q(U,q)【cross product】Q→H^q(U,Q(q))∩F^qH^q(U,C). が全射であると主張するのもで、コンパクトな代数多様体にたいするHodge予想の類似である。主結果はUが一般な開完全交叉多様体にたいしこの主張が正しいことを示した。さらに次のようなこの問題の変形版も考察した。SをC上の非特異代数多様体、π:U→Sをsmoothな写像でファイバーがアファイン代数多様体で次元がmとする。このときUにたいするレギュレータ写像が次の写像 reg^<m+q>_<U/S>:CH^<m+q>(U,m+q)【cross product】Q→H^q(S,R^mπ_*Q(m+q))∩F^<m+q> を誘導する。ここで右辺は混合Hodge加群の理論により自然に混合Hodge構造が与えられている。当該研究では、π:U→Sが開完全交叉多様体のモヂュライ空間M上の普遍族のdominantな写像S→Mによる引き戻しである場合にreg^<m+q>_<U/S>がq=0,1にたいして全射であることを示した。
|
Research Products
(4 results)