2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16654007
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
竹田 雄一郎 九州大学, 大学院数理学研究院, 助教授 (30264584)
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Keywords | アイゼンシュタイン・クロネッカー級数 / 代数的K理論 / 楕円曲線 / レギュレーター写像 / ボット・チャーン形式 |
Research Abstract |
本年度はまず、デニンガーによる楕円曲線のレギュレーター写像にかんする論文を精読した。この論文では、楕円曲線のレギュレーター写像が、アイゼンシュタイン・クロネッカー級数によって表されることが証明されている。 その後、楕円曲線の2次のK群に対応するアイゼンシュタイン・クロネッカー級数について研究した。しかし、単独の楕円曲線の上ではなく、その族である楕円曲面の上でその級数を考えた。この場合、級数は曲線のパラメーターと族のパラメーターの二つの変数をもつ。そして、この二つの変数をもつアイゼンシュタイン・クロネッカー級数に関して、その微分の間になりたつ関係式を見つけた。これまでに知られているアイゼンシュタイン・クロネッカー級数の微分に関する関係式は、曲線のパラメーターのみに関するものであるが、ここで得られたものは族のパラメーターも込めた関係式である、という所が今までにない点である。 また、楕円曲面が有理的であるときに、この関係式から楕円曲面上のある1次のキューブが2次のキューブの境界として表せる、という結果を導いた。ここで得られた2次のキューブのボット・チャーン形式がアイゼンシュタイン・クロネッカー級数を用いて表されることが示されれば、楕円曲線の2次のK群の元を大量に構成できるだろう。
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