2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16654010
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
古田 幹雄 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (50181459)
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Keywords | ユニヴァース / スペクトラム / サイバーグ・ウィッテン / 4次元多様体 |
Research Abstract |
(1)ねじれたユニヴァースの向きの概念について 本研究の目標のひとつはねじれたユニヴァースの族に関するねじれたスペクトラムの族の理論を整備し,3次元多様体に対するSeiberg-Witten Floerホモトピー型の定義をこの理論に基づいて行うことであった.スペクトラムの族がねじれているにも関わらずコホモロジー群が定義されている状況が観察されていた.たとえば,通常のFloerホモロジーはモース理論に基づいて定義され,その定義がwell-definedになるための条件は比較的見やすい. 筆者は,この一見不可思議な現象が,ねじられたユニヴァースに「向き」の概念を導入すると,次のように簡明に理解されることを観察した:「ある一般コホモロジー理論hについて向きづけられたユニヴァースに対応するねじれたスペクトラムEに対して,群h^*(E)がwell-definedになる」特に,Seiberg-Witten理論に対応するユニヴァースは複素Kコホモロジーについて向きづけられたユニヴァースをもつ.これはseiberg-Witten Floer K cohomologyが定義可能であることを意味している.現在,論文を準備中である. (2)b_1>0の4次元スピン多様体の10/8型不等式について 慶応大学の亀谷幸生氏との共同研究において,上記の問題についてここ数年,いくつかの可能な手法を用いてアプローチしてきた.そのアプローチにおいて道具自体の整備が必要となった例としては,同変e不変量,Pin同境,スピン構造を保たない群作用に対する同変KO Thom同型,などがある.今年度は,これら一連のアプローチに留まる限りほぼ最終的と思われる結果をえた.現在プレプリントの形になっている.
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Research Products
(1 results)