2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16654010
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
古田 幹雄 東京大学, 大学院数理科学研究科, 教授 (50181459)
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Keywords | 幾何学 / トポロジー |
Research Abstract |
本研究の目標のひとつは、ねじれたユニヴァースの族に関するねじれたスペクトラムの族の理論を整備し、Seiberg-Witten Floerホモトピー型の定義をこの基礎の上に築くことであった。さらに、Seiberg-Witten理論以外の、モジュライ空間がコンパクトとは限らない非線形Fredholm理論に対して平行した構成の可能性を探求することが目標であった。いずれも、完全に解明するにはいたらなかった。 (1)Floerホモトピー型とは、4次元多糖体の不変量の「張り合わせ公式」が定式化可能性を指導原理として定義さるべき対象である。よって4次元多様体の族に関するSeiberg-Witten不変量の(コ)ホモトピー版の基本的構造の解明がひとつのアプローチを与える。Tian-Jun Li氏との共同研究として、Pontrjagin-Thom構成と非線形Fredholm理論について、今後の私たちの考察の基本となるはずの枠組みを整理した。現在、モジュライ空間がコンパクトという制約のもとではあるが、昨年度の枠組みを一般化し、単一の非線形Fredholm作用素のみならず、非線形Fredholm作用素の族を扱う方法を見出した。この方法は、以下の二点を特徴とする。 (i)ファイバー束が与えられたとき、ファイバーに関してホモロジー的に振る舞い、底空間に関してコホモロジー的にふるまうような安定(コ)ホモトピー論における対象が存在する。我々はこれを用いて族に対する不変量を定式化する。 (ii)この対象の要素の幾何学的記述のためには、Pontrjagin-Thom構成を、多様体の族に拡張するだけでは不十分である。我々は「特異性をもった多様体の族」を用いることによって幾何学的記述を行う。 (2)多様体上のMorse理論に伴う力学系において、Conley indexの理論の拡張として単純ホモトピー型を把握するために、カテゴリーの言語を用いた定式化を考察した。現在のところ、記述は技術的困難を伴う。 (3)モジュライ空間の非コンパクト性を扱う柔軟な方法を考察した。その応用として、複数のレンズ空間の同境に関する一定理を得た。
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Research Products
(2 results)