2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16654015
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小磯 憲史 大阪大学, 理学研究科, 教授 (70116028)
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Keywords | 常微分方程式 / 定曲率空間 / 懸垂線 |
Research Abstract |
3次元Euclid空間において,十分離れた2つの閉曲線を繋ぐ極小曲面は存在しないことがCone Thcoremとして知られている[U.Dierkes.S.Hildebrandt.A.Kuster.O.Wblhrab: Minimal surfaces I, p.381].前年度までの研究において,その結果を任意個数の閉曲線の場合まで拡張した. 今年度の研究においては,その結果をさらに一般次元の0以下の定曲率空間の場合に拡張した.得られた結果は以下の通りである. 定理1.M^<n+1>を'n+1次元Euclid空間,またはn+1次元単位球にPoincare計量を入れたものとする.任意のλ>0に対してあるμ>0が存在して次を満たす:領域D_+:.x^0>λ√<Σ^n_<i=1>(x^i)^2>,D_-:x^0<-μ√<Σ^n_<i=1>(x^i)^2>内にそれぞれn-1次元コンパクト多様体S_+,S_-が与えられたとき,S_+∪S_-を境界とするコンパクトな極小超曲面はD_+∪D_-に含まれ,特に連結ではない. 定理2.M^<n+1>をn+1次元の0以下の定曲率空間とする.任意の自然数Nに対して,次の性質を持つ正の実数K_Nが存在する:空間MにN個の点{P_i}があり,2点間の距離がすべてd以上であるとする.また,各P_iを中心とする半径K_<Nd>以下の距離球B_iの中にn-1次元コンパクト多様体Γ_iがあるとする.そのとき,∪Γ_iを境界とするコンパクトな極小超曲面は∪B_iに含まれる. 証明は回転懸垂超曲面を常微分方程式で記述し,その解の評価を与えることによっておこなう.
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