2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16654020
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中村 佳正 京都大学, 情報学研究科, 教授 (50172458)
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Keywords | 可積分系 / 組合せ論 / シュレーダー路 / 双直交多項式 / FGアルゴリズム / 相対論的戸田方程式 |
Research Abstract |
可積分系戸田方程式のタウ関数解として,種々の組合せ論的数のハンケル行列式が計算可能となる.また,qdアルゴリズムの形に書いた離散時間戸田方程式によってディック路の重みの総和の数え上げが実現される.以上の研究を出発点に,本研究課題は,可積分系の視点から組合せ論研究を創始するものである.平成17年度は研究代表者の研究室において以下の進展があった. ローラン双直交多項式(LBP)のグラフ論と可積分系による特徴付けを行った.まず,シュレーダー路とファバードLBP路と名づけるグラフの重みの相互関係からローラン双直交多項式の3項漸化式の一つが導出され,正ベキに関する多項式の直交性が示される.負ベキに関する直交性はグラフ論的考察に加えてFGアルゴリズムを用いた3項漸化式の係数の変形を用いて証明される.これらの結果を合わせてシュレーダー路の双直交性が示される.逆に,このようなグラフ論的記述が任意のローラン双直交多項式について可能であることも確かめられる.なお,FGアルゴリズムは可積分系相対論的戸田方程式に関係した漸化式によって記述される. 以上の結果,可積分系,直交多項式,アルゴリズム,グラフの対応として,従来の「戸田方程式,実軸上の直交多項式,qdアルゴリズム,ディック路」に加えて,「相対論的戸田方程式,双直交多項式,FGアルゴリズム,シュレーダー路」という対応が明らかとなった.
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