2004 Fiscal Year Annual Research Report
Max-Plus代数を用いた期待効用最大化問題の最適戦略の数値解析
Project/Area Number |
16654022
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
長井 英生 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (70110848)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関根 順 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教授 (50314399)
永幡 幸生 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助手
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Keywords | べき型期待効用最大化問題 / ファクターモデル / 大偏差確率最大化 / フィルタリング / ベルマン方程式 / 確率制御 |
Research Abstract |
・ファクター過程が有限状態マルコフ連鎖であるファクターモデルに対して、べき型期待効用最大化問題を論じ、証券価格の情報のみを用いて投資戦略を構成する部分情報下の問題を定式化し、その最適戦略を偏微分方程式の解を用いて構成した。その際まず、フィルタリングの問題を考察し、問題を完全情報下のリスク鋭感的確立制御問題に問題を帰着した。さらに、そのベルマン方程式を導出、そして、その方程式を線形の偏微分方程式に変換した後、その解を用いて最適戦略の表示を得た。 ・また、取引費用を考慮したべき型期待効用最大化問題を考察した。問題を危険証券への投資比率過程のリスク鋭感的衝撃制御問題として定式化し、その最適戦略の構成を論じた。一定比率の取引コストを持つ場合で、問題は乗法的汎関数の最適停止問題に帰着される。その最適停止問題に対応する変分不等式を考察するにあたって、係数の退化性を排除するために、座標変換の方法を用いて、問題の全空間上のものに変換し、さらに、ゲージ変換を通じて、変分不等式を変換し、可解性、一意性、解の滑らかさを示した。その解を用いて最適戦略の構成を行った。 ・ベッセル過程に類似したずれの係数をもつ確率過程をファクター過程とする、ファクターモデルに対して、長期間最適投資問題(大偏差確率最大化、および関連するリスク鋭感的制御)を考察し、最適戦略の明示的な表示を得た。このモデルは1次元ではあるが、ヘストン型やCIR型のファクターモデルを含むものである。
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Research Products
(5 results)