2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16654023
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
川崎 英文 九州大学, 大学院・数理学研究院, 助教授 (90161306)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川崎 敏和 佐世保工業高等専門学校, 基礎専門科目, 助教授 (90186081)
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Keywords | 折り紙の数理 / 折り紙工学 / 球面折り紙 / 折り紙設計 / 平坦折り / 角の折り出し / 平織り / 三浦折り |
Research Abstract |
1.折り紙の数理と工学に関する国内外の研究結果を把握するため、関連書籍・雑誌を収集し分析した。これをまとめ、日本折紙学会誌に発表した。さらに、国際シンポジウムThe 10th International Origami Conventionにおいて最新の研究について討論をおこなった。 2.球面上での折り紙理論を構築すべく、変形折鶴の対角曲線と球面2次曲線の関係を解明し、その成果を研究分担者がThe 10th International Origami Conventionにおいて発表した。 3.複雑な折りを実現するための手法「折り紙設計」において「角の折り出し」、即ち、角の折り目の配置とその接続が極めて重要であるが、これが境界値問題として定式化できることを見いだした。この研究は平坦折りの大域的研究と関連する。 4.日本折紙協会第10回九州コンベンションにおいて「折り紙の幾何学」を講演した。 5.折り紙工学では素材の開発も重要である。通常の和紙は本藍染めの強塩基性に対する耐性が著しく劣る。研究分担者は和紙の本藍染めに成功した。さらに、絞り染め技法の開発に着手した。 6.紙の特性により、折り紙は時間が経つとその形状が変化する。形状保存のための紙の化学処理技術を開発した。現在、特許出願を準備している。 7.研究分担者は平織りを数学的に系統立てて構成する方法を2通り提示した。しかしながら、それらの方法により作り出される平織りは特異な形状をしているものが多かった。今年度の研究によりその理由を解明することができた。この結果を2月に最適化セミナーにおいて発表する。
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