2004 Fiscal Year Annual Research Report
確率非線形分散型方程式に対する解の存在と漸近挙動の解析
Project/Area Number |
16654025
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
堤 誉志雄 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10180027)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
重川 一郎 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00127234)
吉田 伸生 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (40240303)
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Keywords | 確立非線形分散型方程式 / ホワイトノイズ / ブルガン空間 / 関数解析的手法 / ベゾフ型空間 |
Research Abstract |
雑音のかかったプラズマ中を通過するイオン音波ソリトンを記述するなど,様々な分野で数理物理学的モデル方程式として,確率的外力項(stochastic forcing term)を持つKorteweg-de Vries方程式は重要な役割を果たしている.Korteweg-de Vries方程式が完全可積分系であることはよく知られており,その研究には代数的方法と呼ばれる逆散乱法が有効であった.しかし,一般に外力項を持つ場合には,逆散乱法を適用することができない.そこで,関数解析的および調和解析的研究方法の開発が必要となる.今年度は,周期境界条件の下で,ベゾフ型のブルガン空間の定義において,2進分解の取り方を変更することにより,確率Korteweg-de Vries方程式の可解性と密接に関連した評価式の研究を行った。偏微分方程式においては,確率的外力項は特異性の強い摂動として現れる.そのため,弱い関数空間で解を構成することが必要となり,様々な困難を引き起こす.今回は特に,弱い関数空間における,非線形相互作用と確率項の関係を解析した. 時間変数と空間変数の両方についてホワイトである確率項を扱うことは,現段階では未解決問題であり今後の課題である.しかし,関数解析的手法は方程式が少し変化しても適用できるなど応用範囲が広いので,他の確率非線形分散型方程式の研究にも役立つものと思われる.また,コンピュータによる数値シミュレーションにおいても,確率項は強い特異性を持った項として現れるため,確率項が非線形相互作用に与える影響を解析することは,数値シミュレーションを理論的に補強する際に応用できるのではないかと期待される.
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Research Products
(3 results)