2004 Fiscal Year Annual Research Report
液体ヘリウム3をダイナミックに核スピン偏極させる新しい方法の開発
Project/Area Number |
16654036
|
Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
岩田 高広 山形大学, 理学部, 助教授 (70211761)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 浩司 山形大学, 理学部, 講師 (80241727)
|
Keywords | ゼノン / 能動核偏極 / TEMPO / ゼオライト |
Research Abstract |
本研究では、空孔を内包するポーラス状物質(シリカエアロジェル、ゼオライトなど)に不対電子を含む化合物をドープして、空孔に液体^3Heを満たし、マイクロ波を照射し、「能動核偏極」によって、^3He核をスピン偏極を引き起こすことを目的としている。本年度は、1)ポーラス状物質へのフリーラディカルのドープ、および偏極度システムの整備、を行った。 1)ポーラス状物質へのフリーラディカルのドープ 最も空孔率の高いシリカアエロジェルに対し、フリーラディカルのTEMPOの拡散吸収を行ったが、電子スピン共鳴スペクトルの幅が広く、TEMPOが局在していることがわかった。そこで、化学分野で実績のあるゼオライトを試してみることにした。溶媒中に溶解したTEMPOとゼオライトを混ぜ、溶媒を気化させたところ、TEMPOが均一に吸着されていることがわかった。これは、空気中でも真空中でも長時間安定していることが確かめられた。今後は、このサンプルにヘリウム3を注入し、偏極励起を行う。 2)偏極度システムの整備 Labviewというコンピュータ制御プログラムを用いて、核磁気共鳴のデータ採取システムを構築した。システムのテストとして、水、ポリエチレンなどを用いて陽子スピンに対する常温でのNMRスペクトルを得た。これにより、ヘリウム3核に対する偏極度測定に目処が立った。
|