2004 Fiscal Year Annual Research Report
ミュー粒子稀崩壊による大統一理論検証のための物質内ミュー粒子偏極率の研究
Project/Area Number |
16654037
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山下 了 東京大学, 素粒子物理国際研究センター, 助教授 (60272465)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐伯 学行 高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 助手 (70282506)
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Keywords | 素粒子 / 大統一理論 / 加速器 / ミュー粒子 |
Research Abstract |
スイスのPSI研究所におけるミュー粒子稀崩壊探索実験の装置においてミュー粒子の偏極がどれくらいあるのかを調べるため、本年度は以下のことを行った。 1.測定装置 ●測定装置の主要機器である光電子増倍管を購入した。これは1テスラの強磁場内でリニアリティーを持って動作することが必要なため、メッシュタイプのものでかつ増幅効率のよいものである。動作テストを終了し、量子効率等、必要な性能が出ることを確認した。 ●ミュー粒子を輸送するためのヘリウムバッグの材料を選択し、2つのタイプをテストした。エバールフィルムを選択し、このフィルムのヘリウム透過率をPSI研究所の真空装置を用いて測定した。結果、マイラーなどと比べ、5倍程度の機密性を持つことを確認できた。バッグの形状に関して設計を行い、製作方法を確立した。 2.測定方法の確立 ●PSI研究所に赴き、現地のビームライン担当者と協議を行った。ヘリウムバッグの測定装置との接合のためにソレノイド磁石の入り口側端部を変更する必要があることが判明、初期の設計を終了した。 ●データ収集方法を検討し、回路計、トリガーの仕様を決定した。モニターシステムの設計を終了した。 来年度の計画の詳細を現地および日本の研究者と検討し、測定にあたるスケジュールを決めた。ビーム輸送用のソレノイド磁石(ロシア製)の製作スケジュールも確定し、来年度のビームタイムでの測定が可能となった。全てのコンポーネントの設置後、最終的なビームラインのチューニング方法も、現地の担当者と協議して決めることができた。
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